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15話 【グローザ視点】まるで死者の国に迷い込んだような感覚


sideグローザ。


「見ていたか?グローザ」

「はい。王様」


レックスが声をかけると玉座の後ろから出てくるグローザ。


「両方生きていませんよ。アヤメもベアトリスも確実に死体です」


グローザは見たものを伝える。


「おいおい……嘘だろ」


レックスはグローザに報告されたことを思い出す。

ザクロが追放される前にいたパーティのこと。

そのパーティも全員が死体だったことを。


「気持ち悪い……」


吐き捨てるグローザ。


「俺勝てるのかなぁそんな奴に」


ボヤくレックスに答えるグローザ。


「リーゼロッテ様の報告によると仲間の能力を引き出せるようですが、その仲間がいなければどうでしょうか?決闘中だけ別の場所におびき出せれば後は残るのは貧弱なネクロマンサーだけなのでは?」

「お前頭いいな、それでいくか」


頷くレックス。


「しっかしバケモンだなあれ。宮廷ネクロマンサーは呼んだか?」

「もうそろそろくるかと」


グローザがそう答えた時王室の扉が開き宮廷ネクロマンサーが入ってきた。

使い魔の死体と一緒に。


「お、お呼びでしょうか?レックス王」

「おう、呼んだぞ。お前の魔法を見たくてな」

「は、はい!何なりと!」

「その死体臭いからとりあえず匂い取れよ」


そう言われネクロマンサーは首を傾げる。


「ど、どういうことでしょうか?」

「ん?匂いをとるんだよ。臭いんだよ」

「し、失礼ながら死体は臭いものなのですが」


何も知らないネクロマンサーはそう答えるしかない。

レックスは今度はボトボトと落ちている虫に目をやった。


「んー、じゃあその湧いてる虫は取れないのか?お前の全力を見せてくれ」

「ふ、不可能ですよ。腐る前なら可能だと思いますが」

「じゃあその死体って喋れるか?」

「無、無理ですよ……」


失礼だとは思っているだろうけど呆れたような顔をするネクロマンサー。

宮廷のネクロマンサーに選ばれるくらいなのだ。こんな彼でも上級のネクロマンサーなのだが、レックスの要求はそれでも無理だと答えるものばかりだった。


「先程から何を仰っているのですか?無理難題ばかり。死体は死体ですよ?」

「じゃああれは何なのだ?」


レックスは外で散歩しているアヤメを指さした。


「女の子ですよね?指さすもの間違えておられませんか?」

「死体だが、よく見ろ」

「ご、ご冗談を」


そう言って笑ってもう一度見るネクロマンサー。


「ぶほぉっ!」


そのまま驚きのあまり後ろに倒れ込んでしまった。


「ほ、本当に死体だ……あれ……」


ネクロマンサーは集中して見れば今見ているのが死体なのかどうなのか分かる特性がある。

その特性で見てネクロマンサーは死体だと判断を下す。


「お、おいお前!私を殴れ!」


ネクロマンサーは死体に自分を殴らせる。


「ゆ、夢だ!こんなの夢だ!有り得るわけが、ごぼぉっ!」


数十秒殴られて立ち上がるネクロマンサー。


「ゆ、夢では無い?み、見間違いなのか?」


もう一度庭に目をやると今度はベアトリスも合流していた。


「私は死んでしまったのでしょうか?レックス王。ここは死者の国なのですか?綺麗な顔の死者が歩き回っておられる」

「その理論で行くと俺もグローザも死んでいることになるが。ここは現世だ」


もう一度目を戻すネクロマンサー。

アヤメ達がサンドイッチを食べ始めていた。


「おーすげぇなあいつら飯も食えるのか」


他人事のように話すレックスだがネクロマンサーには分かっていた。


「あ、有り得ない有り得てはならない!!!!!!」


後ろに倒れてビターンと叩きつけられる。


「このような奇跡二度と起きないはずです!後学のために彼女達と話をしてきます!」


そう言ってレックスの前から飛び出すネクロマンサー。

レックスが見ているとザクロにネクロマンサーが頭を下げていた。


一瞬で分かったのだろう。ザクロが彼女達の主だと。

使い魔にも頭を下げさせていてその本気具合が分かる。


「あれが悪魔か」


グローザが呟いた。


「悪魔?」

「こっちの話ですよ。死体とする食事はどんな味がするのか聞いてみたいものです」


そう言って歩いていくグローザを見送るレックスだった。

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