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14話 あんたぶっ殺されたいの?

眩い光が消えて街に戻ってきた俺たちを待ち構えていたのは兵士達だった。

朝っぱらから俺たちを待ち構えていたらしい。


「動くな!」

「何のつもり?」


俺は周りを見た。

大量の兵士が俺たちに槍を向けて囲んでいた。


その中の1人の兵士が兜を外し素顔を見せた。

ギルドマスターのサーシャだった。


「貴様らを王女拉致の罪で拘束する」


一言そう言われた。


「王女なんてどこにいるんだよ?」


俺がそう聞くと片膝を着いたサーシャ。


「リーゼロッテ王女様。ご無事で何よりです」


俺は隣にいたリゼに目をやる。

こいつが王女?


そう言えばダンジョン内にいたムノーを思い出す。

お前の手に負える奴じゃない、そう言ってたが。


そういうことだったのか。


「サーシャ。槍を下ろさせなさい」


王女らしくサーシャに命令するリゼ。


「なりません。この者達は犯罪者です」

「ザクロ。なにかしたのですが?」


その言葉を受けて俺に聞いてくるベアトリス。


「お前も犯罪者と言われてるんだよ」

「え?私が何をしたんですか?!」


アホだこいつ。


「私捕まってしまうんですか?!どうしたらいいんですか?!」


俺の両肩を掴んで揺すってくるベア。

俺たちが取れる手は強行突破か話し合いかだが。

ここはリゼに任せてもいいかもしれないな。


幸い彼女は話し合うつもりらしいし。

そもそも俺たちと彼女では話を聞いてもらえる確率が違うし。


「サーシャ、下ろさせなさいと言ったのです」

「なりません。その者達は」


そう言われたリゼは手を槍に伸ばして掴む。

血がツーっと垂れ流れた。


「このままでは命まで落としてしまいそうですわね」


そう言われたギリっと歯を噛み締めるサーシャ。


「下ろせ」


サーシャの命令で下ろす兵士達。

それを見てからサーシャがリゼの手当を始める。


「粗相のないように客人として扱いなさい」

「し、しかしリーゼロッテ様」

「分かりましたね?」


高圧的に言われ言い返せないのか頷くサーシャ。


「ご客人。無礼をお許しください。あなた方を王城まで案内するように仰せつかっているのです。ご同行願えますか?」


そう言って俺の前に片膝をついて謝るサーシャ。


「あんたも大変だな。いいよ。無視したら余計面倒な事になりそうだしな」


俺がそう返事をすると道を開ける兵士達。

その先には馬車があった。

とは言え引っ張るのはウルフらしいが。


「さ、乗りましょうザクロ様♡」


そう言って俺の手を取って馬車に乗り込むリゼ。

アヤメ達も乗り込み最後にサーシャが乗り込むとウルフが走り出す。


「はぁ……」


溜息を吐くサーシャ。


「聖剣の件も既に知られている。どうなるのか私にも想像が付かない」


彼女がふと呟いた言葉で事の重大さを理解した俺たち。


やがて辿り着いた王城。

俺達はサーシャに案内されて王室にきた。


待っていたのはレックスと名乗った王様だった。

とは言えかなり若いが。


「ご苦労よく来たな」

「パパ私この人と結婚する!」


そう言って俺の腕を掴んでくるリゼ。


「いいよ」


あっさり許可するレックス。

てかいいよじゃないんだよ。


「未踏破のダンジョン聖なる塔を攻略したのであれば相手として申し分ない、というより最高だ」


そう言って立ち上がる王。


「少なくとも俺よりは優秀なのだろう。そんな相手との結婚を止める権利など俺には無い」


いや、止めてくれよ。

そう思うが俺の声は届かない。


近寄ってきて俺の両肩を掴むレックス。

そして涙を流しながら


「娘を頼んだぞ!このバカヤロー!!!ちゃんとキズものにした責任を取るんだぞ!!!!!」


ワンワン泣き始めるレックス。

それからリゼに部屋を出ていかせるレックス。


残された俺とアヤメとベアトリス。


「分かっての通り。ここからは真面目な話だ」


レックスが玉座に座り直しふんぞり返る。


「裏切り者のアヤメ。勇者ベアトリス」


レックスは2人を交互に見てから続ける。


「両方過去の英雄だ。寿命が長いだけのエルフ?いや、有り得ない。死亡確認はしてある」


アヤメがギリギリ歯をかみ締めてから口を開く。


「私は今でも許していないから」

「俺に怒るのはお門違いだぞ?俺が殺した訳では無い」


ふっと笑って続けるレックス。


「裏切り者は他人の空似で片付けられるとしても問題は勇者ベアトリスだ。聖剣が先日抜かれた。それを考えれば本人だという証明に他ならない。なぜならあの聖剣は何千年もの間───────ベアトリスしか引き抜けていないからな。引き抜ける者など本物の英雄以外にいない」


そして今度は俺を見てくるレックス。


「その2人と共にいるお前が1番気になるな。調べは付いているがネクロマンサー?笑わせるなよ」


はっはっはと笑ってから続けるレックス。


「既に白骨化した状態からここまで持ってこられるわけが無い。夢物語だ。ということは幻影魔法か何かか?」


そう言って再度立ち上がるレックスは近くにあった剣を手に取る。


「俺と決闘しろよ自称ネクロマンサー」


俺に剣を向けてくる。


「俺がお前がこの世界を背負うのに相応しいの確かめてやる。それからリーゼロッテと結婚するのにホントに相応しいのかどうかをな。負けたら諦めてもらう!」


俺はその言葉を受けて鼻で笑ってから答える。


「決闘するまでもない。俺の負けでいい。戦闘放棄それで終わり」


負けるのに俺にメリットしかなかった。

面倒なだけじゃないか。

そう思って立ち去ろうとしたら


「ま、待て!じゃあそうだな!負けたらそこの裏切り者の体を全身をくまなく調べさせてもらうぞ!」


その言葉を聞いてピタリと足を止める。


「俺の仲間に手を出すなんてぶっ殺されたいってことでいいの?」

「ザクロ……素敵……♡」


アヤメがそんなことを呟いていた。

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