12話 報酬ゲット
「対策されたと気付けば向こうもそんなに待ってくれないだろう。サンダーの誘導が始まったら直ぐに動いてくれ」
「う、うん」
俺を信じているのだろうどうやってとは聞かない。
手持ちの中で1番長い槍を装備した。
鉄製の槍。
そうしてからジャンプして天井間際まで来た時フロアの中に向けて槍を投げつける。
「ドコヲネラッテイルカス。ヤハリカスハカスナヨウダ」
口の悪いユニコーン。
そんな奴は相手にせず飛んでいく槍を見守る。
グサッ!
床に突き刺さる。
その途端
「ザクロいくよ」
俺が着地する前に走り出すアヤメ。
驚愕の声がユニコーンから上がる。
「ナ、ド、ドウイウコトダ?!ナンダコレハ!サ、サンダーガイウコトヲキカナイゾ?!」
今まで自分の意思で落としていたサンダー。
それが言うことを聞かずキョロキョロ目を回すユニコーンはやがて気付く。
「アレハサキホドカスガナゲタヤリ?!アレニゼンブノサンダーガオチテイル?!」
「そう、あれは避雷針だ。全てのサンダーはあれに落ちる」
そう答えながら着地すると俺もそのままユニコーンに向かう。
もう必中のサンダーは落ちない。
「ク、クラエェ!ブリザ……」
「別の魔法?もう遅いよ」
先に付いたアヤメが既に攻撃圏内に入っていた。
「ナ、イツノマニ?!」
「終わりにしてあげる」
スパン!!!!
アヤメがナイフを振り抜く。
「ヒ、ヒィィィィィィ!!!!!!」
後ずさるユニコーン。
その立派な角が半分くらい切断された。
目が笑っていないアヤメ。
「ユ、ユルシテェェェ!!!!!!!」
ナイフを振ろうとしたアヤメを止める。
「ザクロ?離してよこいつを殺せない」
「ヒィィィィィィ!!!!!」
悲鳴をあげてるユニコーンを見てからアヤメを見る。
「お前こんなの倒したいか?ユニコーンは角を切断されたら弱体化する。今までのようには動かないよ」
「それもそうだね。熱くなっちゃったよ」
ナイフを収めるアヤメ。
「ヒィィィィィィ!!!!コノゴオンワスレハシマセンヨ!!!ダンナァァァァァァ!!!!!」
俺の前で土下座するユニコーン。
「お前はベア達の周りにはサンダーを落とさなかった。その分だよ」
「ア、アリガトウゴザイマスゥゥゥ!!!!!!ナンノコトカワカリマセンケド」
ウォンウォン泣いて俺に縋り付いてくるユニコーン。
敵意は感じ無くなっていた。
それからユニコーンは俺から離れて膝を追って背中を低くした。
「サァノッテクダセェダンナ。クリアルームマデアンナイシマスヨ!」
「いや、歩くよ。案内だけ頼む」
そう言うと起き上がって俺たちを案内するユニコーン。
やがて辿り着いたクリアルームの前だが扉が破壊されていた。
「道を作っておきましたよ我が王」
俺に首を垂れるベア。
「このベアトリスが王の行く手を阻む扉など破壊しておきましたから」
俺はユニコーンに目をやった。
「もしかして攻撃しなかったんじゃなくて。出来なかったのか?」
「ハイ。コノヒトタチコウゲキハンイガイニイタンデスヨ」
何だ。そういうことだったか。
リゼはクリアルームで気絶していた。
「なんか急に倒れちゃったので急いで入れて寝かしておいたんですよ」
ベアトリスの怪力を見て驚いたのかもしれない。
そりゃそうだ。目の前でいきなりこんな分厚い壁破壊されて驚かないやつはいない。
気絶しているリゼの頬をペチペチ叩くと起きてきた。
「あ、あれ私はどうして……確か急に筋肉のモンスターに誘拐されて気を失って……」
そこから記憶がありませんわと口にするリゼ。
やがて俺を見て俺の手を取ってくる。
「信じておりましたわザクロ様♡本当に素敵なお方です。わざわざ私の救助に来てくださったのですね」
「え?」
「ここにいるということは既に筋肉のモンスターは倒したんですね?あんなに強そうだったのに凄いですわ」
ベアをモンスターだと勘違いしているらしいリゼ。
されている方は
「そんなモンスターいたんですね。流石我らが王ですね!」
そんなことを言っていた。
お前の事だよと言えるはずもなく
「流石ザクロ様ですわ。聡明でカッコよくクールで本当に素敵なお方です」
おいおい、どこに向かってんだよ。
「……勘弁してくれよ」
余計に話が拗れそうだ。
適当に話を切り上げようとリゼから離れるが
「そ、それは私に追いかけてこい、という意思表示ですか?」
何を言ってるんだこいつは。
「私追いかけますわよザクロ様のこと」
そう言って立ち上がるリゼ。
「いつか振り向いてもらえるその日まで走り続けますわ」
そんなことを宣言するリゼ。
首を横に振ってから話題を変える。
「なぁ、ユニコーン。聖なる鐘はどこだ?」
チリン。
ユニコーンがその半分になった角に紐のついた小さな鐘を沢山提げていた。
「用意がいいな」
報酬を受け取ると俺は転移結晶の操作を始める。
これはダンジョンのクリアルームに置いてあり操作すると地上に帰れる装置だ。
「じゃあ帰るか」
俺はそう言って皆と共に地上に帰る事にした。




