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信頼は金では買えない

 周囲には大きな建物が立ち並び、発展していることがそれからも見て取れる。

 歩道も綺麗に舗装され、中央広場には大きな像が置かれており。


 だが、戦争中のためかどこか人々の顔は陰っている。


「ここがメルカッツか。デルクールより都会だな」


 馬を走らせ二十日程、俺達はようやくラーゼ領の都市メルカッツに辿り着いた。


「私もここに来たのは初めてだが、綺麗な都市だな」


 シャロンも興味深げに周りを見渡している。

 この大都市に戦火が未だに来ていない。周りの人の話を聞いている限り戦争の中心になっているのはメルカッツでなく、近くであるニコル鉱山という場所のようだ。


 俺達は現地を仕切っているであろうラーゼ軍に会うためニコル鉱山へ向かう。


『イヴは無事?』

『イエス』


 どうやらまだ無事のようだ。毎日のようにメーティスに確認しているため間違いない。メーティスに確認したところ、イヴが死ぬ可能性のある戦闘は今から十一日程先の戦いらしい。おそらく今回の戦争の山場なのだろう。


「そのイヴって君の友達がこのままじゃ死んでしまうのは分かったよ。僕達は帝国騎士団に併合されてイヴって子を近くで守ればいいのかい?」


 ダイヤが俺に尋ねる。俺もそれは考えていた。だがそうではないようなのだ。


『俺達三人がイヴにつきっきりで守れば、死は回避できる?』

『ノー』


『帝国騎士団の助力が必要?』

『イエス』


『ラーゼ軍の助力も必要?』

『イエス』


 メーティスさんが言うには、俺達だけでなく、帝国騎士団やラーゼ軍、両方の力が必要のようだ。


「まだ、全貌を理解した訳じゃないんだが、俺達だけでなく他の軍の力も必要らしい」


「そこまで必要ということはこのままではこちらは負けるんじゃないか?」


 シャロンが鋭い意見を言う。その読みは正しい。


『この戦、ローデル帝国はこのままじゃ負ける?』

『イエス』


 このままではどうやらうちは負けるらしい。あちらは二つの領の軍が出ているので、人数差も厳しそうだ。おそらくイヴだけでなく、このままではこちらは全滅するのだろう。


「このままじゃ負けるみたいだな。なんとか勝たせないと」


 それを聞いたシャロンが苦笑いを見せる。


「私達はこのままじゃ負け戦の戦いに参加するのか。とんだ貧乏くじだ」


 それはもう申し訳ないとしか言いようがない。


「なんとか騎士団の信頼を得ないと、助力も貰えないだろうな」


 信頼を得る。それがどれほど難しいことか。現状武器と言えるような物はヨルバさんの推薦状くらいだろうか。

 今回のミッションの難易度を考え、俺は頭が痛かった。

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