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キノコ長者になりたくて

 翌日俺とネオンは、早速セメン山に向かった。メーティスに尋ねながら、魔物を避けながらどんどん上っていく。セメン山は木々に囲まれた豊かな山だった。


 二人とも体力がそんなにないので、魔物なしでも過酷と言えた。


「そろそろホワイト茸の群生地に、つまりギャングプテラの巣の近くのはずよ。ギャングプテラにだけは常に警戒してね」


 巣に近いこともあり、ネオンからも緊張が感じられる。

 色々不測の事態に備えて用意もしたんだ、だからきっと大丈夫。


「ああ。分かってる」


『メーティス、群生地付近にギャングプテラは居る?』

『ノー』


『一時間以内に戻って来る?』

『ノー』


『五時間以内に戻って来る?』

『イエス』


 詳しく尋ねると、どうやら三時間後くらいに巣に戻って来るそうだ。


「ネオン、三時間程はプテラも留守らしい。その間に探そう」


「分かったわ」


 そして遂に、セメン山の頂上であるホワイト茸の群生地に辿り着いた。


 一面見渡す限り、白いキノコで埋め尽くされている。まるで白い絨毯が敷かれているようである。数キロ先まで全てホワイト茸しか見えない。危険なのは分かっているものの、どこか不思議で好きな景色だ。


「確かに凄い景色だけど、早く探すわよ」


「じゃあ、手筈通りに」


 普通なら一万分の一のキノコを見つけるなんて不可能だ。だが、俺のメーティスなら! そして既に策は考えてある。

 こうして二人で鎌を使い、キノコで埋まっている地面に線を引き始める。だいだい、十メートル四方の四角形を描く。


『この枠内にホワイトオパール茸はある?』


『イエス』


 早速ビンゴだ。幸先が良い。


「この中にある。半分に区切ってくれ」


「了解ー!」


 ネオンが、その四角形を二つに分けるように線を引く。これにより二つの長方形ができた。そして片方の長方形に移動する。


『この枠内にホワイトオパール茸はある?』

『ノー』


 この枠内に無いということは、向こう側の長方形の中にホワイトオパール茸があるらしい。


「ネオン、こちらにはないみたい。もう片方を半分に!」


 向こう側の長方形が二つに分けられ、最初の四分の一の四角形が二つ出来上がる。


『この枠内にホワイトオパール茸はある?』

『イエス』


 こうして、どんどんホワイトオパール茸のある場所を半分ずつに絞っていく。最終的には、キノコ十個程度まで絞られた。


 後は一つ一つ確認していく。


『これはホワイトオパール茸?』

『ノー』


『これはホワイトオパール茸?』

『ノー』


『これはホワイトオパール茸?』

『ノー』


『これはホワイトオパール茸?』

『ノー』


『これはホワイトオパール茸?』

『イエス』


 遂に来た!


「ネオン、見つけたよ! ホワイトオパール茸だ!」


 俺は興奮気味にキノコを上に翳す。それを見たネオンもくしゃりとした笑みを浮かべた。


「やったー! 私達もこれで小金持ちよ!」


 ネオンも大喜びで跳びはねている。大金持ちじゃないところがリアルと言えるだろう。


「まだ時間はある。どんどん探すぞ!」


「任せといて!」


 俺達は喜びで多少テンションがおかしくなりつつも、ホワイトオパール茸の採取に全力を注ぐ。そして四つ目を見つけたあたりで、二時間半以上が経過していた。


「四つあれば、2,000,000Gになるわ……うふふ」


 ホワイトオパール茸を見て、にたにたと笑みを浮かべるネオン。銀貨でいうと二百枚だ。貧乏人である俺達には非常に大きい。

 まだ少し時間はあるが、どうしようかねえ。


 今後について考えていると、背後から土を踏みしだく音がした。

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