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軍師の使命

「駄目だ。シャロンがいくら強くてもB級というのは人が単独で戦えるようなレベルじゃないんだ」


「知っているさ。だが、他に人など出せないだろう。そもそもハイオーガに人手を出す余裕がないんだろう? 千なんてな。百でもここの戦力を考えると厳しいくらいだ」


「なんとか策を考えて……」


「うちの天才軍師殿を信じようかね」


「そうだ! 砦が陥落したという誤報を出して、隣町のバラックから援軍を貰えば!」


「無理だな。そもそもうちの砦は陥落前提で作戦を練られている。陥落して欲しくなければもう少しましな人材を集めると思わないか? 死んでも、陥落してもなにも困らないのさ。バラックは町の壁も厚い上に、見張りもしっかりしている。魔物が襲い掛かってきてからも対応できるようにな」


 シャロンの言葉は納得できる。が、あまりにもガルーラン砦の人間を、人とも思っていない話である。


『誤報を流せば救援は来る?』

『ノー』


 やはり来ないらしい。酷い話だ。


「シャロンの言う通りだ。来ないってよ」


「そうだろうな。この情報を皆に伝えるつもりか?」


「伝えるつもりだが、どう伝えるかまでは考えていない。今伝えて、皆が立ち上がってくれるかは、怪しいところだ」


 逃げる者も出るかもしれない。伝え方はよく考える必要がある。言わなくて良い事、言うべきこと、いかに士気を保ったまま戦えるか。


「戦力は貴重だ。どんな奴等でもな。そこはシビル、お前に任せよう」


「ああ。軍師だからな。そしてシャロン、お前に一人で戦わせるつもりは無いぞ?」


「はは。そんな余裕が今のうちにあるかな?」


「俺がなんとかして見せるさ。俺は……天才軍師だからな」


「頑張ってくれ、雑魚隊長。それがお前の仕事だ。そして戦場で戦うのは私の仕事だ。だから遠慮なんてしなくていい。私を、私達を送り込め」


 シャロンはそう言って、去っていった。


「格好良いこと言いやがって……。そんな奴をただ悪戯に殺させるわけないだろ。武器も、何もかも足りない……」


 俺はそう言って、襲撃をなんとかするために無い知恵を絞ることになる。それが命を預かる軍師の義務だと思ったからだ。


『シャロンはハイオーガに勝てる?』

『ノー』


シャロンは強い。とは思っていたが……B級ソロは流石に厳しいか。


「シャロンを死なせる訳にはいかない。なんとかしないと」


 更に睡眠時間が減りそうだと俺は頭を抱えつつも、策を絞り出すように夜な夜な考え続けていた。

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