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快進撃

 メーティスの予想通り、十三体のラックボアが東門、西門側から現れる。それを見た兵士たちの顔が強張る。


「本当に来やがった……」


「こんな小さな壁で大丈夫なのかよ?」


 兵士達はダイヤが作った壁から顔を出し、矢を番える。俺はラックボアが通るルートを説明している。そこを狙うだけで良い。

 俺は中央の指令塔で皆の様子を見つめていた。勿論、ダイヤに作らせたただ高いだけの土製の塔である。


「皆、焦るな! 言っていた場所までおびき寄せろ!」


 通るルートの場所には、小さな木の枝を二本立てている。そこを通った瞬間を狙わせる。


「一番隊、放てええ!」


 俺の叫びと共に、一番隊のナンバリングされた二十人の兵士が一斉に矢を放つ。十二本の矢は全てラックボアに突き刺さり、大怪我を負わせた。だが、その動きは鈍くなるもまだ止まらない。


 ラックボアはそのまま走り続けるも、その先にも勿論罠がある。深さ二メートルを超える落とし穴だ。土魔法によって普通の地面にしか見えない落とし穴に気付くのは困難だったのかラックボアはそのまま穴に落ちる。


「すぐさま落石だ!」


 俺の号令と共に、巨大な岩をラックボアに投げつける。五個目を投げつけた所で、完全に一匹目が沈黙した。


「やったぞ!」


 一番隊の者が歓声を上げる。


「一番隊、すぐさま次の持ち場へ!」


 俺はすぐさま次の指示を出す。二百人いるとはいえ、誰も死なせないためには人数差で押すしかない。

 一番隊は、すぐさま次の持ち場に向かう。


「他は……」


 他の持ち場も、仕事内容自体はシンプルなため失敗することも無く、次々の成功していた。矢の雨で半分くらいのラックボアは死ぬが、死ななかった先には落とし穴だ。メーティスさんにあらかじめ聞いていたが、落とし穴を躱せるラックボアは今回いないらしく、矢の雨を越え生き残ったやつも落とし穴の餌食となった。


「あれで最後だな」


 最後のラックボアが落とし穴にはまる。大量の落石によりお亡くなりになった。誰も死なずに乗り越えられたのが信じられないのか、兵士達が互いに顔を見合わせる。


「初めてじゃねえか? 群れと戦って、怪我一つないの……」


「ああ……」


 兵士達も嬉しいのか、顔がほころんでいた。


「皆、俺達は勝った! それも誰一人怪我人すら出さずに! これは皆の協力のお陰だ! この勝利は我々皆で勝ち取った勝利である! だが、俺はこの一戦を偶然で終わらせるつもりは無い。これからは、誰も死なせない! そのために皆の力を貸してほしい! 今日からここはゴミ溜めなんて言わせない! 立ち上がれ!」


「「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」」」」」」


 今度は朝と違う本当の歓声が空に響き渡る。ガルーラン砦の快進撃はここから始まる。

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