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終了

「食料が届かない? どういうことだ⁉」


 部下から報告を聞いたオズワルドは大声を上げる。


「それがフクベル商会からは、やはり先に契約していたクロノスの商人に売る、の一点張りでして。食料を取りに行っていた兵士の言葉では、クロノスの商人がフクベル商会の元まで取りに来ていたそうです」


「おのれええ! あやつめ、この間まで倍で買うと言ったら、すぐにあっちを裏切った癖に」


「オズワルド様、このままでは暴動が起こります。経済封鎖を解除いたしましょう」


 オズワルドもいい加減経済封鎖は解きたかった。

 予定よりも長くなりそうなうえに、こちらの方が先に余力が尽きることが確定したからだ。


(やはり、グロリア男爵が動いておるのか? あいつほどの男なら、こちらの手を読んで先回りすることも考えられる……。仕方あるまいな。娘と会わせてくれた恩人と互いに消耗していても何も生むまい)


 オズワルド男爵は覚悟を決めたような表情になると、部下に告げる。


「経済封鎖は終了だ。こちらから、グロリア男爵に詫び状も送る」


「はい!」


 部下は嬉しそうに去っていった。

 部下達は、オズワルドの事情など知らないのだ。


(バーナビー様に顔向けできんが……こちらの力不足か)


 オズワルドはため息を吐いた。




 オズワルド男爵が経済封鎖を解いてすぐ、ドグラ男爵も経済封鎖を解いた。

 その報告を聞いたバーナビー公爵は苛立ちを隠さずに、机を叩く。


「あの馬鹿共め……!」


 表面上では情けない報告をした二人を笑顔で許したバーナビーであったが、腸は煮えくり返っていた。


「どうされますか?」


 腹心のコックチャックが尋ねる。


「ボピンを出せ。グロリア領を潰す」


「ボピンファミリーをですか⁉ あ奴が素直に言うことを聞くでしょうか?」


「無事に殺せたら遺灰のありかを伝えると言って、グロリア領に向かわせろ。奴なら……グロリア領も、あのガキも、全てを潰してくれるだろう」


 それはまさに裏社会を束ねるドンの顔だった。

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