リーシェン
「初めまして、リーシェンさん。兵士希望ですか?」
「いえ、私は元々護衛をしておりましたので、そちらでお雇い頂ければと思っておりマス」
リーシェンは笑顔で応える。
『リーシェンは護衛をしていた?』
『ノー』
早速嘘じゃねえか。面接ってやってて思ったけど、皆嘘つきまくるんだよなあ。完全に嘘つき大会である。
「なら、戦闘系のスキルということか?」
シャロンが尋ねる。
「はい。私もスキルは『格闘』デス。なので、無手でもシビル様をお守りできるカト」
『リーシェンのスキルは格闘?』
『ノー』
嘘なんかい!
「なぜここの募集に?」
「うーん。通りすがっただけですネ。深い理由はないヨ」
『これは本当?』
『イエス』
これは本当なのか……。メーティスに尋ねて様々な情報を集める。そこで気になる点があった。
「元、裏組織の者か」
俺はポツリと呟いた。
俺の言葉を聞き、初めて笑顔で固めていたリーシェンの顔色が変わる。
「なんのことですカ?」
努めて冷静に返したのだろうが、少しだけ声が上ずっていた。
「いや、別にいいんだ。もう辞めているみたいだしな。この際、表舞台に戻るのも良いだろう。うちは、前職は不問だ」
えり好みする余裕がないとも言えるが。
「なぜ、分かった?」
「俺のスキルは少し特殊でな。グロリア領にもスラムは多い。これからスラムや裏組織との対応も考えられるだろう。君には、その対応をお願いしたい」
「……元裏組織の者だと知ってて俺を雇うというのカ? 変わっているネ」
「たまには変わった上司もいいだろう?」
俺の言葉を聞いて、リーシェンが今日初めて、自然と笑う。
「それもそうダ。世話になろう」
こうして元裏組織の人材の採用が決まった。
リーシェンが部屋から出た後、左右から大声が同時に響く。
「元裏組織の人間を雇うなんて、何を考えているんですか!?」
「お前は何を考えているんだーー!」
グスタフとシャロンの大声が耳に直で響く。
「綺麗事だけじゃ町は運営できんだろう? 実際スラムや裏の者達も上手く管理しないといけないしな」
「それはそうだが……」
シャロンはどうやらリーシェンを信用していないようだ。
「俺に裏切りは通じないから安心していいよ、シャロン」
「はあ……そういう問題じゃないと思うが……まあいいだろう」
メーティスが採れ、と言っているからな。きっと必要な人材なのだ。
その後何日も面接は続いた。
シャロンなど、疲れとストレスからかあまり喋らなくなってしまった。
「まだ居るのか……」
とぼそりと呟く。
疲れたシャロンをよそに、大物は現れた。
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