表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

272/362

終わらせる

「族長もやられるなんて……もう終わりだ。メリー族は……。誰も勝てねえんだ、あいつには」


 三人組のリーダー格だった男は、ルークがやられた所を見て、完全に心が折れてしまっていた。

 ただ、呆然と奥へ向かうキンググリズリーを見ていた。

 そんなリーダー格の男の元に、一匹のハイランドグリズリーが現れる。


「ひっ! く、来るな! 化物が!」


 男は手を翳し、念動力を発動させる。ハイランドグリズリーの全身がその力によって締め付けられる。だが、力が足りなかった。

 少し動きが鈍くなっただけであり、ハイランドグリズリーはそのまま前進し、襲い掛かる。

 その鍛え上げられた腕から放たれる一撃は男の右腕を斬り落とした。


「あああああああああ! 腕がああ!」


 痛みで絶叫する男。

 目はハイランドグリズリーへの恐怖で染まっており、全身は震えていた。


「た、助け……誰かあ!」


 男は村の中を必死で逃げた。






 メロウはジルの遺体を抱きしめ、そこから動けなかった。

 ただ呆然と、その場に残っていた。

 だが、魔物達はメロウの事情など配慮することはない。メロウを見つけた一匹のハイランドグリズリーがメロウに近づいてくる。

 メロウはその一匹に気付いてはいるものの、体が動かない。

 父は、自分が生き延びて外に出ることを望んでいた。それは知っていたが、ジルの遺体を置いて逃げることを体が拒んでいたのだ。

 動く気配のない獲物に、ハイランドグリズリーはよだれを垂らしながら笑う。


「ウマソウダ」


 ハイランドグリズリーは動く気配のないメロウを掴もうと手を伸ばす。メロウはそれをただ死んだ目で見ていた。

 絶体絶命の瞬間、何かが空を斬る音が聞こえた。

 それと同時に、ハイランドグリズリーの頭部が貫かれ、噴き飛んだ。

 地面には一本の矢が突き刺さっている。


「なにがあった!? 一体に何に、あいつは殺された?」


 キンググリズリーは部下の頭が消し飛ばされるのを見ていた。

 だが、どこから攻撃されたのか全く分からなかった。

 周囲を見渡すも、全く気配が無い。

 それが恐ろしかった。


「分からねえ……。近くなら、間違いなく分かるはずだ」


「俺達の感知範囲外から、ということか」


 空を斬る音がした瞬間、二匹は即座に顔を上げた。

 流星のように遠くから降り注いだその矢は、別のハイランドグリズリーの頭を消し飛ばした。


「群れの者が、狙われている」


 次々と降り注ぐ矢が、ハイランドグリズリーの数をどんどん減らしていった。


「どこだ! どこに隠れている! お前は、誰だ!」


 ハイランドグリズリーは宙に叫ぶ。

 その時、空から一人の青年が降り立った。

 青年は、メロウの元へ向かうと、小さく言葉を零した。


「間に合わなかったか……」


「シビル……」


 メロウはそう呟いた。その目には僅かに光が宿っていた。


「メロウ、遅れてごめん。もう大丈夫だ」


 シビルは優しくメロウの頭を撫でると、キンググリズリーを見据える。


「すぐに……終わらせる」

お読みいただき、ありがとうございました!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、


『ブックマーク』と広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると嬉しいです!


評価ボタンはモチベーションに繋がりますので、何卒応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  『復讐を誓う転生陰陽師』第1巻11月9日発売予定!
    ★画像タップで購入ページへ飛びます★
html>
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ