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役立たずのままではいられない

 あの化物達が動かない時期があれば渡ることは可能ではないか?

 そんな時期……可能性はある。

 冬。メロウが言っていた。冬は寒くて全てが凍って住めたもんじゃないと。


 湖も凍るのでは? その時期なら渡ることも可能では無いのか。


『この湖が凍る時期はある?』

『イエス』


『その時期には魔物も水中から出て来ない時もある?』

『イエス』


 やっぱり! あるのだ。完全に凍って魔物も動けなくなる時期が。


『その日なら湖を渡って島へ辿り着ける?』

『イエス』


 その後も尋ねる。六十七日後から四日間。湖の水面は完全に凍結し、その間は下から襲われることはない。


「エスターさん、この湖を渡る方法が分かりました!」


「ああ? いったいどうやって?」


「冬です。六十七日後、湖の水面は完全に凍結し、その間は下から襲われることはありません。その時なら湖を渡ることは可能です!」


 俺の言葉を聞いたエスターさんの顔が変わる。


「なっ? いや、時期的におかしくはない。お前が、メーティスを持ったお前が言うのなら、いける、のか?」


「行けます。俺達は必ず島に辿り着けます。アルデド麦は手に入ります」


 俺の言葉を聞いたエスターさんが笑う。


「弟子に励まされるたあ、師匠失格だぜ。すまねえなあ、シビル。お前を連れて来てよかったぜ」


「良い弟子を持ったでしょう?」


「違いねえ。冬まで待つなんて、考えもつかなかった。だが、言われてみれば納得もできる。冬なら……間に合う。ありがとうよ、シビル。お礼と言っては何だがそれまでの間、本気でお前を鍛えよう。本気で覚醒者と渡り合えるようにな」


「お願いします、師匠」


 俺は頭を下げる。


 しばらくは、修行に専念できそうだ。この地獄の箱庭と言えるところで、俺はもっと強くなる。もう何もできない役立たずのままではいられない。

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