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よく言われる

「お前達、速度をあげろ! 剣帝が……エスターがこちらに向かっている!」


 俺は叫ぶ。

 隊の皆は驚いた顔をしつつも、スピードを上げた。


「なっ! 本当か? あの男が……こっちに。お前のスキルはそこまで分かるのか?」


「殿下、全力でお守りは致します!」


『もう数百メートル以内に来ている?』

『イエス』


 速い……。予想よりもはるかに。覚醒者の身体能力を甘く見ていたか。

 走っていると、前方に人の姿が見えた。顔は見えない。だが、その雰囲気だけで、誰かが分かった。


「あらら……念のために来たらまさか奪還されてるとは? 隊長は君かな? 見たこと無いけど。王子様を返してもらえるかな?」


 とエスターは飄々と言う。どうとでもなるという絶対的な自信が感じられた。

 間近に対峙して分かる。こいつは明らかに化物だ。人の皮を被っているが、下手な魔物よりよっぽど。

 それはシャロンも感じていたようだ。


「シビル! 逃げろ! 私が殿を務める。王子はなんとしても連れ帰らねばならん存在だ!」


 シャロンが覚悟を決めたような声で剣を構える。


「お嬢さん、まだ若いのにいい腕してるなあ。うちの若手よりよっぽど強い。だけど、まだ俺の前に立ちはだかるには早いんじゃないかい?」


 剣帝は笑いながら、剣の柄に手をあてる。


「シャロン、駄目だ! 逃げるぞ!」


 俺はすぐさま、騎馬の行く先を変える。


「おやおや、俺相手に逃げられると思っているのかねえ。本陣まではまだだいぶあるよ?」


 エスターは全力疾走している騎馬相手に、平然とついて来た。

 明らかに速すぎる。

 俺は騎乗しながら、矢を番える。ありったけの魔力をこの一矢に込める。


「付与矢・【龍】!」


 大量の魔力を吸い込んだ矢は光線のようにエスター目掛けて、放たれる。


 その一矢をエスターは片手で鷲掴む。


「ば、化物め……!」


「はは、良く言われるよ」


 明らかに先ほどの一撃は、A級魔物にも通じる一矢だった。だが、覚醒者には届かない。


「かかれえ!」


 ライナスの号令と共に、複数人の白虎族が襲い掛かる。

 だが、白虎族の一撃を片手で止め、子供のように軽く地面に叩き付けた。一瞬で骨を砕かれ、ピクリとも動かない。

 おいおい、白虎族が赤子扱いかよ……。


「逃げ切れるとは思えないけど、諦めた方がいいんじゃない?」


 エスターの言葉を無視して、俺は必死で逃げ続けた。

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