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大戦争

 一方その頃、帝都は混乱の最中にあった。


 一万を超える魔蟲が突然帝都に現れ、人を襲い始めたからだ。 


 帝都のとある塔の窓際には、ピンクの髪をした少女、パピオンが混乱する町を見ながら笑っていた。


「ふふ、お祭りじゃ。祭囃子が聞こえてきおるわ……。わしも動こうかのう」


 そう言うと、窓を閉めた。


 窓の下では帝国騎士団が総出で魔蟲に対応していた。


 六翼の侵攻が始まる。








 翌日も快晴。美しい青空からは太陽が照りつける。


 平野部を見渡すと、大量の死体が転がり、大地が血で染まっている。敵軍は遠目からでも戦意にみなぎっていることが分かる。


「やっぱり今日決める気なんだな」


 俺は敵影を見て呟く。


『今日で戦は終わる?』


『イエス』


 どうやら最終日らしい。


 俺はただ、一人でも味方が生き残ることを願いながら戦場に立った。






 開始から敵の攻めは苛烈だった。戦場全体に殺意が充満しており、金属音と怒号が響き渡る。


 シビル隊の先陣を切るのはやはり彼女だ。


 その大剣が振るわれるたびに、敵が両断され、恐怖で震え上がらせる。その美しい銀髪はもはや右翼の戦いでは敵の恐怖の象徴になっていた。


「ま、またあの女か……」


 敵の狂気じみた様子に、恐怖が混じり始めた。


「お見事。やっぱりウィルタイガーが大将になったな。仕留め辛いが、前線には出辛くなっただろうし、悪くない」


 メーティスで予め敵将を調べていたので、驚きはない。


 ちらりと、イヴを見る。ウィルタイガーを狙い辛くなったことで落ち込んでいないか心配だったからだ。


 だが、彼女は全く落ち込んでる様子がない。いつものように澄んだ目で、レイピアを振るって獅子奮迅の活躍だ。


「なんか吹っ切れたみたいだな……」


 俺も右翼の戦いを早々に勝利を収め、中央軍の戦いを援護したいが……昨日より敵の守りが固い。


 いやあ、中々良い指揮をしますねえ。面倒臭いなあ。


 指揮をしながら、敵軍の綻びを探っていると、中央で凄まじい轟音が響く。


「また出たのか……あの鳥」


 ヨハンが再び戦場に舞い降り、こちらの中央軍の中心地で暴れ回っている。


「ハハハ、お前ら雑魚が何人いようが、関係なんてねえよ! 俺達トップだけの戦いだ、こりゃあ!」


「ふざけるな、獣が!」


 襲い掛かる兵士が一瞬で消し炭に変わる。


 奴が向かう先全てに、死の雨が降り注ぐ。


 そんなヨハンの反撃を止めるのは、勿論……。


「あんた、昨日あんだけ死んだのに、元気ねえ」


「オカマ野郎! 昨日の続きだ! 来いよ!」


 アンジュさんの巨大槌の一撃を受け、頭が消し飛ばされたにも関わらずゾンビのように気にすることなくその肩に噛みつく。

 アンジュさんの肩から煙が僅かに立つ。

 アンジュさんは気にすることなく、その頭部を殴り飛ばした。


「今日は死ぬまで殺してあげる」


 まさに妖怪大戦争ともいえる戦いが、兵士を巻き込み、始まった。

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