表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

196/362

『敵は正面から来る?』

『イエス』


『伏兵は居ない?』

『ノー』


『伏兵は千人以上?』

『イエス』


 と言った具合に情報を集める。黙ってひたすらメーティスに尋ねていると、バルデン侯爵から声がかかる。


「君は敵はどう来ると思う?」


「そうですね……敵は人数の理を活かして、左右に伏兵を放っています。二千ずつ、計四千です」


「ほう、そう見るか。バギー平野は横幅だけで数キロある。周囲は確かに森に囲まれているが、この平野の広さじゃ不意打ちまではできんぞ?」


「挟撃だけでも価値があると考えているのではないでしょうか? おそらく人数はあちらの方が上ですので、余裕があります。敵は勝ちは当然、こちらをどう料理するかについて考えている可能性が高いです」


「……確か君は未来を読めるスキルだったか。左右からの伏兵は確かか?」


「間違いなく。敵が進むであろうルートもある程度予想が可能です。これを逆手に取り、油断した伏兵を葬り、逆に背後を狙うべきかと具申します」


 俺は地図上に敵が通るであろうルートを示す。


「確かに伏兵を放置はできん。だが、人数差を考えると、そんなに多くは出せんぞ?」


「仰る通りかと。左右に千人ずつ、計二千で伏兵を撃退し、そのまま挟撃に移れれば。二千の兵となると、敵も無視できませぬ」


 俺の意見を聞き、バルデン侯爵はリズリーさんへ目を向ける。今の意見についてどう思うか、尋ねているのだろう。


「シビルの未来予知は確かなものです。何でも読める訳では勿論ございませんが、嘘は決して申しません。内容も可能性としては十分にありえるかと」


「リズリーの秘蔵っ子を信じようか」


 とバルデン侯爵も納得しかけたその時、一人の男が手を上げる。


「恐れながら申し上げます。そこの新人の言うことがどれほど正しいのか、疑問ですな」


 手を上げたのはパンクハット軍一人の大隊長である。

 軍は、百人をまとめ上げる小隊長、五百人をまとめる中隊長、千人をまとめる大隊長が大まかに居る。

 目の前の太った大隊長は千人の将だという訳だ。こちらを見て意地汚い笑みを浮かべている。


「ほう……私達の決定に異論をつけるか?」


「いえ、そのような。ですが、この者が本当に未来を読めるのであれば、なぜ今回の戦争を予知できなかったのか。もし知っていて黙っていた場合、大罪ですぞ」


 蛙のような顔を歪ませる。このガマ野郎。ガマ隊長って呼んでやるからな。


「シビルは未来が全て読める訳ではない。それに前回の戦で見事な計画を練ったことは知っているだろう」


「まあ、良いです。私は私で動かさせていただく。勿論、エルビスさんのいうことなら聞きますが、そこの軍師もどきについて懐疑的だとは言わせていただきますよ」


 と煽る。うーん、こいつ俺の意見を聞いて納得した上官に失礼だと思わないのか?


「納得したようだな。では、各軍から千人ずつ別動隊を出す。このルートを通るのであれば、ここから不意打ちができる。別動隊については、最適な場所を考えよう」


 別動隊の大隊長が各軍から指名され、伏兵狩りについて話し合いが始まった。俺もその話し合いに参加し、最も不意打ちに向いた場所を伝える。

 別動隊を抜くと、七千対一万五千と戦いとなる。厳しい戦いになりそうだ。

お読みいただき、ありがとうございました!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、


『ブックマーク』と広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると嬉しいです!


評価ボタンはモチベーションに繋がりますので、何卒応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  『復讐を誓う転生陰陽師』第1巻11月9日発売予定!
    ★画像タップで購入ページへ飛びます★
html>
― 新着の感想 ―
[一言] 「まあ、良いです。私は私で動かさせていただく。勿論、エルビスさんのいうことなら聞きますが、そこの軍師もどきについて懐疑的だとは言わせていただきますよ」 ネズミかどうかは、すぐに確認している…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ