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始まり

 一方帝国騎士団第一師団は皆、飛竜討伐のため北部領へ向かっていた。

 そこには美しい青髪を靡かせるグラシア家次期当主ヘルクの姿もあった。


「それにしても、突然飛竜討伐なんて何か臭うねえ」


「ヘルク様、これは誘いということでしょうか?」


「うーん、そこまで分からないけど。結構時間がかかりそうだ」


「いつものことながら、団長は居ないですしね」


「もう半年は見ていないね。帝国の顔も大変だ」


 現在第一師団を率いるのは副団長。トップである団長の姿は見えない。トップの居ない第一師団は飛竜討伐のため、馬を駆っていた。








 俺は日課である木こり作業に没頭していた。最近は伐採にも慣れて、楽しくなってきたところだ。なんならこれから木こりになれ、と言われても笑顔でオッケーするくらいには。


「シビル様、リズリー様から至急戻るように連絡が!」


 兵士が焦ったような顔で走って来る。後ろにはその情報を伝えに来たであろう伝令が控えている。


「何があった?」


「私が詳細を話します」


 後ろの伝令が声を上げる。


「ハルカ共和国の兵がこちらの領土に。既にいくつもの村が犠牲になっています。戦争が始まります。至急、リズリー様の元へお戻りを」


「わざわざ呼ぶということは、今までの小競り合いとは規模が違うってことですね?」


「はい。敵勢は少なくとも万を超えるものかと」


 俺は頭を押さえる。村に夢中で、国家間の戦争にまで頭が回っていなかった。


「承知した。すぐさまリズリー様の元へ馳せ参じます」


 伝令にその旨を伝えると、村に戻りすぐさま兵士を収集する。


「シビルー、また戦いなのー? たまにはスローライフしようよー」


 ダイヤは話を聞くと、駄々をこねはじめた。

 まあ分からなくもない。木こりライフも中々良いものだった。なんか森と共に生きる、って感じが良い。

 だが、それも村や国があってこそである。


「駄目だ。シャロンと共に、出立の準備を。今日中に発つ」


「分かったよぅ~」


 ダイヤに任せて俺は白虎族の元へ向かい、ライナスに今回のことを伝える。

 ライナスは話を聞き終えると、にやりと笑う。


「早速、シビルさんのお役に立てるということですね」


「さん、は止めてくれよ」


「上下関係は大事ですので。白虎族の戦士、三百を出します」


「ありがとう。悪いな、早速頼っちゃって。今日中に村を発つから速めの用意を頼む。おそらく白虎族は俺の個人軍になるから、別動隊になる」


「承知しました」


 ライナスは話を聞くとすぐに村の戦士へ説明に向かった。


「これで良し。白虎族の運用は考えないとなあ」


 俺はそう呟きながら隊の元へ戻る。そして準備が出来次第、村を発った。

 移動中俺達はいくつか共和国軍に焼かれた村を目にした。


「酷いね……」


「これが……戦争だ。酷いものだな」


 ダイヤの呟きに、シャロンが溜息まじりに返す。焼け焦げて人の居なくなった村を見て、俺は戦争というものを改めて認識する。


「慣れんものだ……」


 俺達はまだ生きている者を救うためにも、馬を急がせた。



あけましておめでとうございます。


更新が滞っていてすみません。有名な病気にかかって今の今までダウンしてました。本日より再開します。

健康は本当に財産ですね。

皆さまも健康にお気を付けください。

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