表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

183/362

剣をとれ

『あの魔蟲の長に弱点はある?』

『イエス』


『それは部位?』

『イエス』


『腕?』

『ノー』


『尻尾?』

『ノー』


『顔?』

『ノー』


『腹部?』

『イエス』


 腹部か。


『六本腕に囲まれている腹部?』

『イエス』


 なるほど。中々難しいことをおっしゃる。


「シャロン、あの化物の弱点は六本腕に囲まれている腹部らしい」


「あのドリルのような六本腕に囲まれた? 中々狙いにくい所を……」


「まあ他よりも装甲が薄そうだもんな」


「他に弱点は無いのか? 部下に任せると言ってもあの数を倒せるとは思えんぞ」


「ちょっと調べてみる」


『今回現れた魔蟲全体の弱点はある?』

『イエス』


『部位?』

『ノー』


『魔法?』

『ノー』


 うーん、分からん。殺虫剤か? 魔蟲にも効くのだろうか。


『くん煙剤?』

『イエス』


 農家が焚く虫よけの農薬的な物だろうか。今からそれをゆっくり調べ切る時間はない。

 この村には農家が多い。誰か知っているか調べるしかない。


『この村人の誰かが効果のあるくん煙剤を知っている?』

『イエス』


『六十以上の人?』

『イエス』


『性別は男?』

『ノー』


 六十以上の女性か。


「すまない! 六十以上の女性に集まって貰えないだろうか! 聞きたいことがある!」


 そう言って、村人に声をかける。

 集まってきた老人は十五人程。


「誰か虫に効く、くん煙剤の作り方は知りませんか?」


「知ってはいるが、あんなでかい虫に効くとは思えんのう」


 そう言って声を上げたのは、白髪交じりで背の曲がった御婆さんである。何度か挨拶もしたことがある。


『この人が知っている?』

『イエス』


「そのくん煙剤で構いません。完全に倒せるとは思っておりません。少しでも動きを鈍らせることができれば儲け物と考えています。できればあの群れに効く範囲で大量に作りたいんですが」


「そこまでかからんじゃろうが……効くか保証はできんぞ。精々小さな虫くらいにしか使ったことは無い」


「お願いします。今から三十分後には村に向かいます。それまでに出来そうですか?」


「そりゃあ無理じゃ。物も取りに行かちゃあならん。儂の家にあるが……」


 お婆さんをあの戦場に放り込むのも気が引ける。


「僕がやり方を聞いて、お婆ちゃんの家で作るよ!」


 ダイヤが声をあげる。


「素人じゃ心配じゃ。儂も行こう。今更あの世なんて怖くないからのう。お前が儂を護衛すればいい」


 自分も行くと言い張るお婆さん。大丈夫だろうか。だが言い争っている暇はない。


「分かりました。それでお願いします」


「任せとけ! 年寄りにもできるところをみせてやるわい!」


 お婆さんがすっかり張り切っていらっしゃる。


「シビル隊、集合してくれ。これから村人の救出作戦を行う!」


 俺はシビル隊を集合させる。兵士達の多くは覚悟を決めた顔をしている。 俺は目線をシビル隊全体に向ける。


「村を取り返し、村人を救い出す! 剣を取れ!」


 俺はいつものように堂々と言い放つ。たとえどれだけこちらが不利であっても。余裕綽綽で、にやりと笑う。これはトップの条件だ。


「「「応!」」」


 戦が始まる。

お読みいただき、ありがとうございました!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、


『ブックマーク』と広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると嬉しいです!


評価ボタンはモチベーションに繋がりますので、何卒応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  『復讐を誓う転生陰陽師』第1巻11月9日発売予定!
    ★画像タップで購入ページへ飛びます★
html>
― 新着の感想 ―
[良い点] 一時期減ったなー、と思ってましたが、この作品の特徴のイエス・ノーがやっと復活ですね。色々意見はありそうですが、やはり特徴ですし、これをはさむと展開はやくて小気味いいので良いと思います。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ