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呪樹病

 俺は馬を駆り、ひたすら帝都へ急いだ。五日後、ようやく帝都に辿り着いた俺は目的の医者を探し始める。


『白虎族の病気を治せる医者は、帝都の北地区に居る?』

『ノー』


『白虎族の病気を治せる医者は、帝都の南地区に居る?』

『イエス』


 帝都はその巨大さから、四つの地区に分かれている。どうやら目的の医者は南地区に居るようだ。


『白虎族の病気を治せる医者は、この通りに病院を構えている?』

『ノー』


 何十もある通りを一つ一つ確認し、数時間後、ようやく一軒の病院に辿り着いた。

 帝都でも年季の入った建物である。小さな病院と言ってもいい。


「すみません、失礼します」


 ノックをし、中へ入る。


「誰じゃあお前は? ここらじゃ見ない顔じゃな?」


 中には白いもじゃもじゃの髭を蓄えたお爺さんの姿があった。大変小柄で、椅子の上にあぐらをかいて座っている。


「すみません、パンクハット領から来ました! どうか皆を助けて下さい!」


 俺は大きく頭を下げた。


「いったいなんのことじゃあ? 一から話してみい」


 俺は森の病気について話した。お爺さんはうんうんと聞き、全てを聞いた後大きく息を吐いた。


「そりゃあ……呪樹病じゃな」


 お爺さんの目が鋭くなる。


「呪樹病?」


「大昔流行った病気じゃ。当時何十万人という人が死んだ伝染病じゃ。樹病蟲という虫が木々に寄生し、その木が病気をばらまく。もう何十年もこの病気の被害は聞いたことがないが、恐ろしい病気じゃ。早く木々を燃やした方がいい。第一級の伝染病じゃ。森も、人も全てを飲み込むぞ」


 お爺さんは険しい顔で言う。


「木々は燃やせれば燃やすつもりですが……先住民がおりまして」


 白虎族についても話す。


「なんとも面倒なことになっておるのう。なんとか納得してもらわねば、お主の村も皆滅びるじゃろう」


「そこはなんとかします。村まで来ていただけませんか?」


「……よかろう。放っておくわけにはいかんじゃろう。相当量の薬が居るが、金は大丈夫かの?」


「大丈夫です。しっかり持ってまいりました」


 リズリーさんから貰った報奨金を持ってきた。革袋の中身を見たお爺さんは無言で頷く。


「じゃあ今から材料を揃えてくる。買い終わったらすぐさま出発しよう。時間もなかろう」


「ありがとうございます!」


 俺はお爺さんの買い物が終わるのを待った後、すぐさま村へ戻った。

 六日をかけて、村に辿り着く。


「お爺には厳しい長旅じゃ。もう動けんぞ……少し休ませてくれ」


 馬を使った旅は、老体にはかなり厳しかったらしい。


「お疲れ様です。しばらくおやすみ下さい」


「ちょっと休んだら森へ向かおう。木々も、患者も見たいからのう」


「分かりました。仲間も連れて行きます」


 今回は、シャロンとダイヤも連れて、森へ向かった。

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