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ゲコ太郎

 一人に花を採取してもらって、残りは蛙の世話をお願いしている。

 プラティコは見渡す限りあるが、採り尽くしてしまっては元も子もない。皆が余裕を持って生活できるくらい稼ぐ分だけお願いしている。


 何より蛙の数がそんなに多くない。

 蛙が浄化水を出せる回数は一日三回が限界だ。それ以上行うと、蛙に負担がかかる。


 正直この事業は蛙様によって成り立っている。彼等が死んでしまった場合この事業自体が停止である。湖の一部を柵で囲い、そこに蛙達を集めた。五十メートル四方に三十体ほどを放っている。

 かなり無駄にデカイが、これ以上小さいと蛙にストレスがかかるのだ。


「いやー、暇ですねえ。これでお金貰っていいのかな? って感じです」


 とプラティコを浸している浄化水を変えている青年が言う。


「正直十人くらいいれば十分な作業だからな。だいぶん多めに雇っているんだよなあ」


 だが、村人を救うための仕事なため、全員を雇わないと意味がない。


「浸すプラティコを増やしたらどうですか?」


「あまり増やすと、花が減ってくるだろう。これくらいなら何十年後も残っている。それに蛙の数も足りない。蛙の養殖に成功すれば、花を採る数も増やす。だからもう少し待っててくれ」


 蛙の養殖についても、考えている。柵内に蛙の天敵を入れずに、栄養のある食べ物を与えれば増えることはメーティスに確認済だ。

 今働いている者の半分以上は蛙の食料である昆虫と、魚を捕るために動いている。俺達が豊富に餌を与えるせいか、日に日にでっぷりしていっている気がする。


「それにしても、領主様がこんなに村のために動いてくれるなんて思いませんでした。本当にありがとうございます。正直、俺村出ること考えてたんですよ。これ以上家族の負担にはなれなかったです。これで、しばらく生きていけます」


 そう言って、青年が頭を下げてくる。


「これからどんどん大きい事業にしていくからどんどん働いてくれ。村の外の土地も開拓して畑にして貰ってもいいから少しずつ村を良くしていこう」


「はい! ゲコ太郎に餌あげてきます!」


 青年はいい笑顔で立ち上げると、石鹸蛙の元へ向かっていった。

 名前まで既に付いているとは、意外に親しまれているのかもしれん。

お読みいただき、ありがとうございました!


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