表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

155/362

石鹸蛙

「という訳で、皆さんの意見を集めたいと思います。各自アイデアを出してください」


 俺は仲間に丸投げする。いや、勿論メーティスに尋ねもするけどさ。四人でプラティコと蛙を入れた木箱を囲う。


「はいっ!」


「素早い挙手、素晴らしいですね。はい、ダイヤ君」


「塩水に浸すとか」


「なるほど」


『プラティコを塩水に浸すと青色に変わる?』

『ノー』


「残念。違うらしい」


「踏みつける」


 シャロンが手を上げずに話す。過激派なアイデアである。


『プラティコを踏むと、青色に変わる』

『ノー』


「残念!」


 眉を僅かに顰めるシャロン。ボケじゃなかったのか……。ネオンが恐る恐る手を上げる。


「はい、ネオン君」


「話の腰折って申し訳ないんだけど、その箱何? さっきからゲコゲコ言ってるんだけど」


「ああ、これか。これも新しいうちの産業になってくれる蛙だ。名称は不明」


 そう言って、木箱の上を開ける。


「見たことないわね……。父の商会は動物も扱ってるんだけど。メーティスがこの町の産業として使えるって言ってるんだから、何かしら価値があるんでしょうけど」


 だが、両方ともどうしたらいいかさっぱり分からん。このままじゃ宝の持ち腐れである。


『蛙はそのままでも高く売れる?』

『ノー』


 分かってましたよ。野に返すか、こいつ。

 皆してうんうんと唸る。だが、有効なアイデアは出て来ない。


「ねえ。シビルはメーティスの質問に、この村の新規事業になるような生物が何か? を尋ねたんだっけ?」


 ダイヤが尋ねてくる。


「ああ」


「なら、プラティコと蛙を組み合わせろってことなんじゃないの? 蛙は数が少ないし、いくら高値でも知れてると思うんだよね。蛙を使って、プラティコを青色に変えられるんじゃ?」


 確かにダイヤのいうことは理にかなっている。


『この蛙を使えば、プラティコを青色に変えられる?』

『イエス』


 きた!


「流石だ、ダイヤ! その通りだ。蛙を使えばプラティコを青色に変えられるらしい!」


 大きな一歩だ。


『蛙にプラティコを食べさせれば青色に変わる?』

『ノー』


 うーん。


「……一緒にゆでるか」


「ゲコォッ⁉」


 俺の呟きを聞いた蛙が箱の中で暴れる。


『蛙とプラティコを一緒に茹でると青色に変わる?』

『ノー』


 ゆで汁ではダメなのか。いい線いってると思ったんだが……。


「冗談だ、蛙。茹ではしない」


「一緒に茹でるのじゃ駄目なのね」


「ああ、残念ながら」


『蛙の口内に一日入れておけばプラティコは青色に変わる?』

『ノー』


『蛙の血に浸せばプラティコは青色に変わる?』

『ノー』


 猟奇的すぎたか……。

 再び皆でうんうん唸り始める時間がやってきた。


 外では話しているせいで、色々な人がこちらに寄ってきたが、誰もプラティコを青色にする方法は知らないらしい。そもそもこの蛙を知っている人があまりいない。

 村長であるバギンズも、話を聞いたのかこちらにやってきた。


「これはこれは石鹸蛙とは。懐かしいですのう」


 そう言って、目を細めながら微笑む。


「村長さん、この蛙知ってるんですか?」


「勿論。子供の頃は、石鹸を買うお金も無かったからこの蛙に助けられたもんですじゃ」


 話が全く見えない。この蛙と石鹸の繋がりが分からない。


「石鹸蛙?」


「正式名称は知らんのですが、石鹸蛙と年寄りは皆呼んでおるよ。蛙の舌を軽く引っ張ると、驚いて液体を吐くんですが、なぜかそれで洗うと手が綺麗になるんじゃ」


「ほおー」


 蛙の吐いた液体で、綺麗になるとはとても思えないが、試してみるか。

 俺は木桶を貸家から取ってきた後、蛙の舌を軽く引っ張る。虐待じゃないよ?

 蛙は一瞬震えた後、大量の液体を木桶に吐き出す。


「うーん、ぱっと見は只の唾液だな。手を……」


 他の三人に目を向けると、皆顔を逸らす。ひでえや。

 俺は覚悟を決めると、液体に手を入れる。


「本当だ!」


 俺は手から汚れが落ちるのを感じた。サラサラだ。石鹸よりも効果があるかもしれない。


「この水、魔力を含んでいるね。多分聖魔法に近い」


 その様子を見ていたダイヤが呟く。


「浄化魔法を宿しているようだな。浄化魔法を宿した水など聞いたことがない。中々珍しい蛙だ」


 シャロンが感心したように言う。

 阿保面の割に、どうやらこの蛙は凄いっぽい。蛙は舌を引っ張られたことが不満なのか、こちらを睨みつけている。許せ、蛙。

 浄化魔法……教会……、俺はいくつかのピースが繋がったような感覚を得る。


『この液体に黄色のプラティコを浸せば色が変わる?』

『イエス』


 これだ! 俺はようやく見つけた解決法に口角を上げた。

お読みいただき、ありがとうございました!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、


『ブックマーク』と広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると嬉しいです!


評価ボタンはモチベーションに繋がりますので、何卒応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  『復讐を誓う転生陰陽師』第1巻11月9日発売予定!
    ★画像タップで購入ページへ飛びます★
html>
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ