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プラティコ

「嘘だろう!? この花で稼げないと、村がやばいんだよ!」


 俺はネオンに掴みかからんばかりの勢いで迫る。


「村が大変なのは、見れば分かるわよ。あんたこの花、見たこと無いの? デルクールでもあったでしょ」


「あったっけ?」


 正直デルクールに居た頃、花を見る余裕なんてなかった。


「あったわよ。正確には花弁が黄色のプラティコが売れないのよね。花弁が青色のプラティコなら一本二千Gほどで売れるはずだけど」


「色?」


「黄色のプラティコだと何も使えないけど、青色のプラティコはポーションに使えるのよ。中級ポーションだったかな? 青色プラティコの栽培方法は教会が独占してるのよ。町の薬師は教会から買って作ってるはず」


「なるほど。ただ、青色に着色するだけじゃだめなのか」


「駄目に決まってるでしょ。詐欺じゃないそれ」


 うーん、あてが外れた、のか?

 メーティスさんという天才(俺調べ)がそんな色間違えちゃった、テヘなんてドジっ子なことするだろうか。


 何か意味があるのでは?

 青色のプラティコは、本当に初めから青なのか?


『青色のプラティコは、初めから青?』

『ノー』


 やはり。


『黄色のプラティコは青色のプラティコに変えることができる?』

『イエス』


「ネオン、青色のプラティコは最初から青色じゃない! 黄色のプラティコが変化したものなんだ!」


「なんでそんな……メーティスか。確かにあり得る話ね。で、変え方も分かったの?」


 俺はお手あげのポーズを取る。そんなすぐ分かる訳がない。なんとか教会が秘匿している青色プラティコの製造方法を知り、青色にするしかない。


「それじゃまだまだね。メーティスを使い、地道に調べるしかないんじゃない? そういえば『ゲイン』で色々買ってきた際、小耳に挟んだんだけど、ローデル北部で『セラフの六翼』の一人、ガルガンディー・ハデスが目撃されたみたいで、帝都は厳戒態勢らしいわよ。ここは遠いから大丈夫だと思うけど、気をつけなさいね」


「えっ!? 本当に? ここ数年誰も姿を見せてなかったのに……」


 ダイヤが嫌な顔をして叫ぶ。


 『セラフの六翼』は、大陸でもっとも有名な戦闘集団である。戦闘集団といえば聞こえがいいが、実際は世界中で指名手配されているA級戦犯の集まり、ようするに犯罪者集団と言える。

 一人一人が異常な戦闘能力を持っており、一人で小国を滅ぼすような怪物の集まりだ。関わりたくないね。


「蒼龍ガルガンディーか。奴等が出たということは……何かあるかもしれないな」


 シャロンが呟く。ガルガンディーといえば、亜人である竜人であることが有名である。


「まあ、北部ならうちは関係ないだろ。俺達は幸い南東部だし」


 ローデル帝国の北には国はない。大魔境という魔物達が巣食う荒地だけが広がっている。その魔物の強さや土地の不毛さから全く開拓されていない秘境である。


「ならいいんだけどね。色々持ってきたわよ。なんか買ってく?」


 そう言って、ネオンは荷馬車から様々な商品を持ってくる。薬系が多い。

 俺は来てくれたことに感謝を込めていくつか薬を購入する。無駄にはなるまい。


「結局……なんとかしてこの花プラティコを、青にしないといけないわけね」


 目線を花に向けるが、全く分からない。教会が青にできるというのなら、お祈りか? 分からん。

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[一言] 「まあ、北部ならうちは関係ないだろ。俺達は幸い南東部だし」 あやふやのことは、メーティスに確認したらいいでしょう。簡単に確認できるのに、
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