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囲まれた

 シビルが乱戦中、リズリー救出に向かっている最中、ガルシア騎士団は南側からクラントン騎士団の右翼を背後から襲い掛かった。

 援軍と思っていたガルシア騎士団の突撃にクラントン騎士団は完全に出遅れる。それを見たエンデは顔を真っ赤にしながら罵声を吐く。


「裏切ったな、ガルシア! 子供がどうなってもいいのか!」


「子供は返してもらった! 今こそわが友リズリーに加勢する! クラントン軍の右翼に完全に潰せ!」


 叫ぶエンデを言い返すガルシア。


「ぐうう……まだ二箇所から襲われているだけ……どうとでも」


 だが、シビルの策略はこれだけで終わらない。ガルシア騎士団が南から襲い掛かると同時に、北側の雪原から突如パンクハット軍騎兵千が現れ、クラントン騎士団の左翼を背後から襲い掛かる。

 これによりクラントン騎士団は左翼、右翼両方の背後を突かれることとなる。


「エンデ様、大変です! 北側から、伏兵が! おそらく人数は千。動きの鈍い歩兵を中心に狙われています!」 


「なっ!? 開戦前から雪原に隠れておったのか。 山賊狩りに人を割いていた訳では無かったか」


 エンデは拳を握り締める。

 派手に暴れるフレイや、リズリーは前方に集中させる前の囮であった。


「どんどん、削られております。この寒さと渡河のせいで、歩兵の動きが悪いです。このままでは両翼は壊滅です」


「分かっておるわ……!」


(ぐう……。ここまで渡河で歩兵の動きが鈍るとは。そのためにわざわざ早朝を狙いおったのか。やはり止めておくべきだった。見事に釣られてしまった。だが、多少罠にかかっても勝てると高を括っていたのも良くなかった)


 エンデは歯を食いしばる。


「人数では勝っておる! そのまま戦え!」


 エンデはそう言うしかなかった。背後も河、逃げ道も無く、エンデの思考は固まっていた。


(三方向囲まれた……。しかも背後は冷え切った河。まずい……)


 エンデは完全に嵌められた事に気付く。


(なぜ、ガルシアの子供が奪われているのだ。あの子供は厳重に守っていたはず……。しかもここまで兵が弱っておるのも、冬だからだ。秋であれば……。食料が足りなかったのも、全てパンクハット側が!?  何時からどこまで読まれていたのだ)


 エンデは自分が敵の掌の上で踊らされていたことに気付き、背中に冷たい汗をかいた。


(幹部のブランが突如死んだのも、全て……。息子の叶う相手ではなかったか)


 思考している今も、三方向から囲まれどんどん兵が討たれていく。エンデは自らの敗北を悟っていた。

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