殺せない
翌日。俺はネオンに食料の買占めを依頼する。
「なるほど。クラントン領付近の食料を買い占めればいいのね。兵站を止めるなら、保存の長い物を中心に買えばいい」
「話が早くて助かるよ」
「任せなさい。それにしてもこの量買い占めるとなると、そうとうかかるわよ」
「それくらい買わないと意味が無いんだ。金は出す」
まあ俺の金じゃないんだけど、それはいいだろう。前金として、1億G分白金貨を持ってきた。のちのちもっと大量の金を渡す予定だ。
「分かったわ。なんとかしてみせる。商人ネオンに任せなさい!」
と堂々と言い放つ。
「一人だけじゃ難しいだろう。メーティスに尋ねた所、ゲルド商会と、ハーマン商会の二つを抑えればいいらしい。頼んだぞ」
「確かにクラントン領付近だと、その二つの大商会の力が必要なのも分かるわ。大きな取引になりそうね」
ネオンも嬉しそうだ。
「ネオン、良い仕事が来たみてえだな。楽しみだ」
この間見たイケメンが宿から出てきた。忘れていたが、こいつの正体が未だに分からん。
「ネオン、あの人は――」
「じゃあ、私達は早速クラントン領に向かうわ。良い返事を期待してなさい」
ネオンは馬車に乗ると、従業員を連れて去って行ってしまった。
俺は去っていくネオンをただ見ていた。
俺は諜報員をクラントン領やその他色々な地域に配置し、情報を集めた。その情報をもとに今後の計画を練る。
「おおー。これは面白い。良いスキャンダルだ。良い井戸端会議のネタになるだろう」
俺はとあるネタににたりと笑う。
諜報員からもたらされる情報は様々だ。細かいネタから大きなネタまで。やはり情報は力なのだ。
情報だけでは分からないこともメーティスを使えば、更に深くまで知ることも可能だ。情報を集めていると、気になる情報が手に入った。
だが、まだブランを仕留めるプランが全くできていない。何とかメーティスさんに相談するしかあるまい。
『ブランを仕留めるには、戦争の前日がいい?』
あれ、返事がない。なぜだ?
『ブランは乱戦で仕留めた方がいい?』
これにも返事がない。
『ブランを殺すことはできない?』
『イエス』
おっ、メーティスさんから返事がようやく来た。だが、どういうことだ? 殺すことができないなんて。絶対にこちらじゃ勝てないってことか?
俺はその後もメーティスに尋ね続け、ある事実に辿り着く。俺はその事実に息を呑んだ。
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