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狩り

 翌日、俺の前には五百人の騎士達が綺麗に整列していた。


「シビル殿に、礼!」


 上官の命令により、一斉に礼をする騎士達。

 騎士達の目は、こちらを探るような目や、信じているような目など様々である。態度は悪くないが、心配そうな顔をしている。


「俺はシビル。これからこの隊、シビル隊の隊長を務める。この隊はこれからハルカ共和国国境付近の警備を行う」


 パンクハット領はハルカ共和国と接していることもあり、戦闘も多い。


「正直、皆まだ俺を信じ切れてないと思う」


「い、いえそんなことは……」


 上官っぽい男が反応する。


「いや、別にいいんだ。新人軍師ってのはそんなものだ。もし、戦力が同じとして敵がこちらがどう行動するか全て知っていたら、こちらは勝てると思うか」


「それは厳しいのでは……行動が読まれていると、全てにおいて後手に回ります」


「その通り。戦場において、敵の行動という情報はなにより価値があるものだ。どこに、いつに居るのか、戦力はどれくらいか。それが俺には分かる」


「何をおっしゃって……」


「俺のスキルは危機察知と未来予知を併せ持つ。相手の戦力がどれくらいか、どこからくるか。全て事前に知ることが可能だ。俺はこのスキルで、アルテミア王国との逆境をはねのけてきた。嘘だと思うだろう? 次の戦でそれを証明しよう。敵は山賊ボルドーの集団千人。それを一方的に蹂躙する!」


 俺は大きく宣言する。


「ボルドーが!? ここらへんで暴れているとは聞いてないぞ?」


 山賊ボルドーはハルカ共和国を大きく荒らしている山賊である。千という山賊とは思えない規模で多くの村を滅ぼしている。


「ハルカ側から山越えをして、こちらを狙っているようだ。敵が山越えで最も疲れている瞬間を潰す。シビル隊の初戦に華を添えましょう」


 こうしてシビル隊、初の戦が始まる。敵は山賊ボルドー。


「しんどい……」


 俺は山登りで顔を真っ青にしながら呟く。


「体力がないな、相変わらず」


「知能派なもんで」


 シャロンの呆れたような声になんとか返す。俺達は山賊達を嵌めるために先んじて山登りをしている。が、これがとてもハードだ。既に後悔が凄い。


「そろそろ山頂も近いが、どう戦うつもりだ?」


「ボルドーは慎重な男だ。必ず先遣隊に前を確認させる。先遣隊百を三百人で一斉に滅ぼす。そこで戦力を削いだ後、前に警戒心を向けさせた後、背後である山頂から大量の丸太を落とす」


「なるほど。ということは、山賊達が山を下っている時を狙う訳だな」


「そのため大回りをしている訳だ。正面で戦うとこちらの犠牲も大きい」


 俺達は山を大回りしながら登っている。ボルドーと鉢合わせしては全く意味がないからだ。登っている山は禿山なこともあり、木もあまりない。皆、丸太を必死で担いでいる。


 悪いが、山賊達には狩る側から、狩られる側になってもらう。

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