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誰よ、その男

 二日後、パンクハット領に戻ると、馬車に乗る行商人の姿が見える。

 先頭で馬を操る者は俺も良く知る人物だった。小柄だが、サファイアのようなあの美しい髪を忘れる訳がない。


「ネオン!」


 俺の良く知る友、ネオンだ。


「シビル、ヤッホー」


 笑顔で手を振っている。


「来てくれたのか!」


「来て欲しそうな手紙貰ったからねー。それに丁度行商で他の都市に行くところだったしね」


 ネオンの背後には大きな荷車があった。順調にネオンビル商会は繁盛しているようだ。


「ありがとう! 俺しばらくはパンクハット領で士官になったよ」


「了解。せっかく来たんだから、明日にでも案内しなさいよ」


「分かった。明日は休み取れると思う。と言っても俺もあまりまだ知らないんだけどな」


「別にいいわよ」


「ネオン、もう着いたのか?」


 荷車から男が出てきた。すらりとした背の高いイケメンである。年齢は俺と同年代くらいだろうか。


「宿にはもうすぐよ」


「早く行こうぜ。疲れたよ」


 謎のイケメンは頭を掻きながら、荷車に戻る。


「はいはい。シビル、遂に従業員が増えたのよ。ネオンビル商会も大きくなったってことね!」


 ネオンは笑顔で言う。


「そ、そうなんだ……おめでとう」


「この宿に泊まる予定だから、またね!」


 ネオンは笑顔で去っていくも、俺は謎の動揺があった。

 あの新しい従業員は誰なんだ?

 動揺している俺を見て、さっきまで無表情だったシャロンが普段見せないような笑顔を見せる。


「なんだ、他に男ができてるじゃないか。ハハハ。振られたな! シビル、女がいつまでも昔の男を思っていると思ったら大間違いだぞ!」


 そう言って、俺の背中を叩くシャロン。


「別にそう言う関係じゃないから!」


「そういう関係じゃないのは見たら分かる。シビルより身長も高かったし、優しそうだ。負けたな」


 シャロンはにこにこで煽ってくる。


「あの二人がそういう関係かどうかはまだ分かんないだろう!」


「だが、随分親しそうだったけどな。 ただの従業員が商会のトップを呼び捨てで呼ぶかな?」


 シャロンの言うことも一理ある。俺もそう思う。

 あの男は誰だったんだろう。分からん。


「もう帰ろうよー。僕疲れちゃったよ」


 ダイヤの言葉を聞き、俺達は借家に戻る。

 夕食後、俺は椅子に座りあの男のことを考えていた。


「シビル、まだあの男の人のこと考えているの?」


 ダイヤは呆れたように言う。ぐう、こいつは中々鋭いのだ。


「別に考えてない」


「そんなに気になるなら君のスキルで調べてしまえばいいじゃないか。メーティスに聞けばすぐだろう?」


「……それはできない。これは戦闘に必要なことでも、商売に必要なことでもない。ただのプライベートな情報だ。友人のプライベートな情報までこのスキルで聞いてしまうのは、違うだろう?」


「君はどこか律儀だねえ。まあ僕はそういうところ、嫌いじゃないけど」


 格好つけたものの、気になる。うーん、だけどなあ。明日聞こうかな?

 けどそんなこと聞くのも変だし……。

 止めとこ。

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― 新着の感想 ―
自分ははっきりしないくせに、やられるともやもやしちゃうやば男だったか。。
[一言] 「ありがとう! 俺しばらくはパンクハット領で士官になったよ」 何か、言葉遣いおかしくないですか?
[一言] てっきりイヴに寄ってると思ってたけどコッチなんだ。
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