#47 空宙都市奪還作戦
「さあ、そろそろ空宙都市の雷雨神砲防御幕であってよ! 大丈夫であって魔女木さん?」
「ええ、いいわ! さあ皆。」
凸凹飛行隊が空宙列車にて走り、肉薄しつつある空宙都市の雷雨神砲防御幕が見える。
「また術句を唱えて! 雷雨神台風を強めるの!」
「Well……了解!」
「わ、分かったわ青夢!!」
「……止むを得なくってよ魔女木さん!」
「はい、マリアナ様!」
そんな状況で青夢に指示され、凸凹飛行隊面々やデイヴは止むを得ず従う。
「hccps://giganticmandrake.mna/edrn/fs/typhon.fs?stooming=true――Select, 嵐の神!」
「hccps://camilla.wac/……セレクト サッキング ブラッド!」
「……hccps://jehannedarc.wac/……セレクト、ビクトリー イン オルレアン!」
「……hccps://rusalka.wac/…… セレクト 儚き泡!」
「hccps://diana.wac/、セレクト 月の弓矢!」
「hccps://aradia.wac/、セレクト 叛逆の魔術!」
「hccps://giganticmandrake.mna/GrimoreMark/、Select 雷雨神台風 Execute!」
エネルギー雨渦巻く嵐ある擬似大気圏纏う空宙列車電磁砲は。
今の凸凹飛行隊やデイヴの詠唱により更に勢いを増し、エネルギー雨を多数放つ。
それらは空宙都市の雷雨神砲とぶつかり合い、相殺していき。
それにより勢いをつけた空宙列車は、エネルギー雨の中を突き進む。
「さあ続いて……凸凹飛行隊、総員あの擬似火炎誘爆砲発射用意!」
「言われるまでもなくってよ!」
「はい、マリアナ様!」
「ああ、魔女木!」
そうして、尚も迫る雷雨神砲防御幕に。
「hccps://camilla.wac/……セレクト サッキング ブラッド!」
「……hccps://jehannedarc.wac/……セレクト、ビクトリー イン オルレアン!」
「……hccps://crowley.wac/…… セレクト アトランダムデッキ! 女帝――女帝圧政!」
「……hccps://rusalka.wac/…… セレクト、ゴーイング ハイドロウェイ!」
今空宙列車電磁砲座乗の青夢にマリアナ、法使夏と。
離れている剣人も含めて、術句を紡ぎ出す。
ジャンヌダルクの高エネルギーが、クロウリーにより圧縮され。
それはカーミラにより周囲のエネルギーを奪う性質を与えられ、ルサールカの泡により包み込まれ。
「hccps://jehannedarc.wac/GrimoreMark/、セレクト 火刑による怨念業火! エグゼキュート!」
そうして紡がれた火球は、今空宙都市エルドラドを守る雷雨神砲防御幕に打ち込まれる。
「着弾するわ、青夢!」
「いいわ、さあ……空宙列車電磁砲、突撃! 目標、空宙都市被弾箇所!」
「OK! ……な!?」
そのまま青夢の指示通り空宙列車を動かそうとするデイヴだが、その内容に驚愕する。
突撃?
今火球を打ち込んだ箇所へと?
だが、そんなデイヴの胸中を見透かしたように。
「早く! 突撃して雷雨神砲防御幕にぶち当たったら、今空宙列車電磁砲を覆っている擬似大気圏の渦を防御幕表面にどんどん広げていってください! 早く!」
「y、YES!」
青夢は早口で更なる指示を捲し立て。
もはや覚悟する暇もなく、デイヴは空宙列車電磁砲を突撃させる。
たちまち空宙列車電磁砲は、空宙都市防御幕に激突し。
デイヴはそこで、言われるがままにそこに擬似大気圏の渦を広げる。
すると。
「きゃあ!!!!」
「Damn!」
「ぐっ……かなりきついけど! さあ行っけー!!」
防御幕表面に展開されていく擬似大気圏が、先ほど打ち込まれた擬似火炎誘爆砲の火球に酸素を与え。
たちまち圧縮から解き放たれた高エネルギーは、水を得た魚とばかりに防御幕表面に次々と誘爆し。
凸凹飛行隊座乗の空宙列車もその余波で苦しめられるが、大気の流れを制御し何とか持ち堪え。
防御幕を突き破り、青夢たちの空宙列車電磁砲は空宙都市内列車乗場へと滑り込む。
「くっ! 総員、各自法機で脱出!」
「ええ、またも言われるまでもなくてよ魔女木さん!」
「はい、マリアナ様!」
「了解、青夢!!」
「YES!」
しかし、空宙列車電磁砲は既に限界を迎えており。
もはや泥舟となりつつあるそれを、名残惜しくも乗員らは各車両上部飛行甲板を反転させ。
各法機を露とし、そのまま甲板上カタパルトにより加速し発進させ乗り場より外に離脱していく。
「……さて、潜入成功ね!」
青夢はそのまま、法機ジャンヌダルクより都市内に目を向ける。
真下に摩天楼群が、さらにその基部に鰐型の艦体が見てとれる。
「デイヴさん! 脱出用ビルはどこに?」
「Well、あそこだ!」
青夢の問いに、法機ギガンティックマンドレイクのデイヴより言葉が返る。
「よし……凸凹飛行隊、全機前進! 目標、ザ ゴールド ストリートビル!」
「了解!!!!」
「OK!」
かくして、防御幕内に侵入できた青夢たちは。
一直線に、今皆が集まっているであろうビルを目指す。
◆◇
「……三段法騎戦艦、砲撃だ! 主砲発射!」
一方、空宙都市より離れた宙域において。
剣人は、法機クロウリーより命じる。
たちまち命令を受けた三段法騎戦艦は、三基の主砲塔を交互に左右に向け。
それにより、敵艦隊たる宙飛ぶ龍人艦艦隊を砲撃する。
「ぐっ!」
「く……俺様によくも! 怯むな野郎共、敵戦艦にこちらも砲撃だ!」
「り、了解! …… hccps://baptism.tarantism/、セレクト 竜獄炎砲 エグゼキュート!」
だが魔男の艦隊とて撃たれっぱなしではなく、撃ち返し。
それにより三段法騎戦艦周囲は、爆発の続く宙域になる。
「ぐっ、このままでは」
「忘れてもらっては困りますわ方幻術剣人、私をね!」
「くっ、パール・アブラーム!」
しかしパールは、お前の相手は私だとばかり。
法機クロウリーの前に、法機マケダを立ちはだからせる。
「さあ、このまま!」
「hccps://ungur.wac/!」
「hccps://yurlungur.wac/!」
「hccps://yingarna.wac/!」
「Select, 虹の彼方 Execute!!!」
「なっ!?」
「! 豪代表アポストロスか!」
と、そこへ。
豪代表アポストロス法機群が専用空宙列車電磁砲より発艦しており。
この周辺宙域の戦線に、駆けつけてくれたのだった。
「ぐああ!」
「む……敵法機の攻撃か! 群生形態に移行、対空防御!」
「り、了解! ……セレクト、ビーイング トランスフォームド イントゥ 群生形態! アボイディング アサルト、エグゼキュート!」
これは敵わぬと。
龍男の騎士団艦隊の全艦は、構成パーツに分離し対空防御形態へと移行する。
「……Select, 虹の彼方 Execute!!!」
「hccps://ungur.wac/!」
「hccps://yurlungur.wac/!」
「hccps://yingarna.wac/!」
「/GrimoreMark/、Select 虹の前兆 Execute!!!」
「ぐっ!? ぱ、パーツ群一つ一つに当たって来るだと!?」
しかし豪代表法機マリア群が内包する専用法機の改造技は、空宙都市が持つ雷雨神砲に似たエネルギーを雨状に放つものであり。
法機マリア群が頭上を通過する度に、宙飛ぶ龍人艦艦隊はその餌食となっていく。
「ふん……中々やりますわね!」
「よし……法機クロウリー! hccps://crowley.wac/!
セレクト、アトランダムデッキ! 審判――神罰執行! エグゼキュート!」
「くっ! 方幻術剣人!」
パールが呆けた隙に。
剣人はクロウリーより雷撃を放ち。
それにより更に隙をつくり、そのまま三段法騎戦艦に向かう。
「hccps://crowley.wac/! セレクト ランディング オブ 空飛ぶ法機、エグゼキュート!」
剣人は、法機クロウリーを着艦させる。
「やれやれ、油断しましたわね! まあいいですわ……ここは一旦、引くとしましょう!」
それを見たパールは、法機マケダを翻し。
戦闘宙域を、離脱していく。
「ふん、口ほどにもないなアブラーム! さあ、三段法騎戦艦! 主砲を斉射して敵艦隊を叩く!」
その様子を見た剣人は、三段法騎戦艦の砲門を改めて開く。
と、その時。
「!? な……何だあれは!」
剣人が驚いたことに。
空宙都市エルドラド周辺に、突如現れたものが――
◆◇
「なっ!?」
「これは……何ですの!?」
「ま、マリアナ様!」
「What!? こ、これは……」
「あ、青夢!!」
それは空宙都市エルドラド周辺のみならず、エルドラド内のビル群にも現れていた。
「こ、ここは……?」
「わ、分からぬが……奇妙な鳥共がここに!」
それらは何と、幻獣機に乗るエルドラディアンの戦士たちであった。
「これは……あのネメシスの時に似てる!」
――女王の命とあらば仕方ない……行くぞ! このベレトの騎士シャルル・ヴィクトリュークスに続け!
――応!!
青夢はそれを受けて、かつてのネメシスでの戦いを思い出し確信する。
それらは、あの仮想大陸から実体化させられた者たちであると。




