表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ウィッチエアクラフト〜魔女は空飛ぶ法機に乗る〜新たな女王編  作者: 朱坂卿
新・第一翔 復活の魔男と凸凹飛行隊再始動
4/74

#3 円卓の復活

「さあ来て、ジャンヌダルク…… hccps://jehannedarc.wac/! サーチ コントローリング 空飛ぶ法機(ウィッチエアクラフト)ジャンヌダルク! セレクト、ジャンヌダルク リブート エグゼキュート!」


 青夢はそのまま、自宅を飛び出し。

 自機たるジャンヌダルクを、召喚する。


 そのままやって来た法機に、乗り込む。


「また幻獣機……しかも、新型らしいけど。もう出て来て欲しくないのよ、はっきり言って疫病神!」


 青夢は乗り込み法機を発進させながら、幻獣機の方へと向かう。


 ◆◇


「マリアナ様! 今回はかなり群れていますね。」

「ええ、そうであってよね! まったく、弱い者同士がいくら群れたところで!」


 一方、戦場となっている空域では。

 凸凹飛行隊の法機三機が、幻獣機数機と会敵していた。


 幻獣機数機は、動き回り。

 凸凹飛行隊機たちを、翻弄している。


「くっ! このままでは」

「hccps://jehannedarc.wac/、セレクト オラクル オブ ザ バージン、ビクトリー イン オルレアン!hccps://jehannedarc.wac/GrimoreMark、セレクト 栄光誘導弾(ビクトリーミサイル) エグゼキュート!」

「! む、こ、この声は!?」


 しかし、そこへ。


 放たれた複数の光弾が、マリアナたちを苦戦させていた幻獣機たちを一瞬で葬り去ってしまった。


 ◆◇


「本日も、幻獣機が出たそうねマリアナさん。」

「はい……」


 その夜。

 マリアナは魔法塔華院コンツェルン本社の社長室にて、母と話していた。


「その幻獣機を倒したのは……飛行隊長なのね、さすがだわ。」

「はい……」


 母は煽るかのように、マリアナにそう言うが。

 マリアナはその言葉に、歯軋りする。


「(まったく、魔女木さん……またものこのこと現れて、場をかき乱してくれてよね……!)」


 と、その時。


「はい……え? な、何ですって!? あ、アラクネさんとタランチュラさんが?」

「……え?」


 突如としてかかって来た電話に出た母の言葉に。

 マリアナも驚く。






「ん……む!?」

「あ、アリアたん!? ……むぐっ!」


 それは、昼間のことであった。


 研究室から外出したアリアドネとタランチュラだったが、彼らを取り押さえた者がいた。


「……悪く思うな、かつての王に女王。これも新たな女王の思し召しである……」


 魔男の騎士団長ウィヨルとフィダールである。


 そうして。

 彼らにより、今や無力な人間でしかないタランチュラとアラクネは拉致されてしまった。


 ◆◇


「そ、そんな!? それはマジ?」

「大マジであってよ、魔女木さん!」


 その話は。


 翌朝、魔法塔華院コンツェルン本社の一室にてマリアナにより青夢や法使夏により共有された。


「かつての王に女王が行方不明とはな……やはり。」

「ええ。魔男の円卓が、復活した可能性があってよ。」

「そんな……」


 マリアナはそう告げる。



 ◆◇


「……今日もお集まりいただきありがとう、私の騎士たち。」

「はっ、新たなる女王陛下!」


 その頃。


 魔男の円卓が新たな女王の呼びかけと共に、照らし出される。


「無事、かつての女王と王を拉致できましたね。」

「は、我らの手により!」

「抜かりなく。」


 第十三席の席位に座るウィヨルと、その傍らに佇むフィダールは恭しく頭を下げる。


「これで、ひとまずの邪魔者はいないですね。まあまだ、魔女木獅堂と飯綱法親子が残っていますが……」

「その内飯綱法の息子の方につきましては、引き続き私共にお任せください。」


 新たな女王の懸念事項に、ウィヨルとフィダールはまたも請願する。


 ◆◇


「お前たちは……!?」

「お久しぶりですね……凸凹飛行隊のお嬢さん方に元魔男の騎士!」


 そうして一夜明け。


 またも幻獣機出現の知らせを受けた凸凹飛行隊がその空域に急行するやそこにいたのは、幻獣機に騎乗するウィヨルとフィダールであった。


「さあ行きますよ……hccps://baptism.tarantism/! サーチ アサルト オブ 幻獣機! セレクト、幻獣機アガレス、コーレシング トゥギャザー トゥー フォーム 幻獣機ツインデモン! エグゼキュート!」

「くっ! あれは……双頭のワニ!?」


 青夢が驚いたことに。


 ウィヨル・フィダールが擁する幻獣機二機が合わさり、互いにワニの形をしたそれらが合わさったことで双頭の幻獣機と化す。


「ふふふ……さあ! 新たな女王の命により、あなた方を処刑いたします!」

「な!? あ、新たな女王ですって!?」


 合体後の幻獣機上に並び立つウィヨル達の言葉に、青夢は驚く。

 新たな、女王?


「ええ、そうです! さあさあ、あなた方だけではありません! 邪魔な飯綱法の息子や獅堂も葬らねば……hccps://baptism.tarantism/! サーチ アサルト オブ 幻獣機!」


 戸惑う青夢たちを前に。

 ウィヨルは、術句を唱える。


 さあ、これで先制攻撃を――


「青夢、危ない! hccps://diana.wac/、セレクト 月の弓矢(マンスボウ)! エグゼキュート!」

「むう!? な……何だ!?」


 と、その時であった。

 突如、無数の光矢がウィヨルらめがけて降り注いだのだ。


「あ、あれは……ほ、法機!? だ、誰が」


 青夢らが驚いて、攻撃の主を見れば。

 それは通常法機より一回りは大きかろうという法機が飛来した。


 さらにその法機の両翼には、一機ずつ小型の法機が見える。

 その大型機部分に乗る者と小型部分に乗る者は。


「オッケー、真白! ……hccps://aradia.wac/、セレクト 魔女の福音(ゴスペルオブウィッチ)!」

「な……ま、真白!? そ、それにその声は……黒日!?」


 それぞれ真白に、黒日である。


「な!? あ、あれは」

「アラクネ……かつての女王!? な、何故だ、何故奴が!?」


 更にウィヨルたちが、驚いたことに。

 真白と黒日の法機に重なるように、アラクネのビジョンが浮かび上がっていた。


 ◆◇


「あれは……青夢の機体だよね?」

「うん、青夢の機体だね……」


 空を見上げて真白と黒日は、忸怩たる思いを抱えていた。


 時は、ウィヨルらと凸凹飛行隊の戦いが始まった頃に遡る。

 彼女たちは、偶然戦場近くにおり。


 強力な法機を引っ提げて親友が敵と戦っている。


 いや、これまでも敵と戦ってくれていた。

 自分たちを、守るために――


「まったく……つくづく水臭いよね青夢は!」

「うん、私もそう思うよ真白!」


 真白と黒日は目を合わせて頷き合う。

 二人の心にあるのは、同じ思いであることをそうして確かめているのだ。


「さあ、行かせていただきますよ!hccps://baptism.tarantism/! サーチ」

「……セイビング マイ ベストフレンド!」


 そうして二人は。

 気づけば叫んでいた。


 偶然にもウィヨルが唱えた術句に合わせて。

 その検索ワード(切なる願い)を。


 セイビング マイ ベストフレンド――親友を救う、という検索ワード(切なる願い)を。


 そして。


「!?」

「な、何これ!?」


 真白と黒日は。

 未だ経験したこともない感覚を、味わう――


 ◆◇


「ん……?」


 真白・黒日はふと、目を覚ます。

 ここは、どこか。


 見れば、真っ暗な空間に。

 光の線で繋がれた網のようなものが下に見える。


 ここは――


「ようこそ……ダークウェブへ。」

「!? ……あ、あなたは?」


 ふと声をかけられ、真白・黒日は面食らう。

 そう、ここはダークウェブ。


 そこにいたのは。


 何やら闇の中に浮かび上がる、女性の上半身。


「……私はアラクネ、あなたの望みをもう一度。」

「……え?」


 アラクネは優しく微笑む。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ