9話
9話
獄乃坂演出「c72のぶれす(セリフとセリフの間)を抜いてーください」
獄乃坂演出「あとお、c98をぉ1.5倍速に…」
松野編集「c98、全尺ですか?」
獄乃坂演出「はいぃ」
元極道のアニメ演出、獄乃坂が編集室にお邪魔している。今日は魔女っ子腐凛刺巣プリンちゃん第4話のカッティング(編集)日である。
カッティング(編集)とは、アニメーション本編映像をオンエアーフォーマットの1240秒(作品ごとに変わる)ジャストに押し込む作業である。セリフ量が多い作品だと、分単位で尺オーバーすることもある。
隅田監督「c272とc275のセリフをカットお願いします」
隅田監督「c321のBG onlyを欠番でお願いします」
獄乃坂演出「隅田さん…c37と38の間、もっと詰めてもええですかね?」
隅田監督「…うん、いいね」
獄乃坂演出「c80のセリフを前倒しにぃすれば…c81切れますかね?」
隅田監督「ではそれで」
松野編集「分かりました。…セリフボールド引きっぱなしにして乗せておきますね?」
隅田監督「お願いします」
松野編集「あ、c82のセリフ、次カットにこぼしておきましょうか?」
獄乃坂演出「ありがとうございやす」
魔女っ子腐凛刺巣プリンちゃん第4話、カッティング終了。約3時間半かかる。
まだレイアウトも揃っていない状態なので、コンテ部分、作打ち前の部分から優先的にカットを落としていく作業になる。
白瑛制作がシートのコピーとハードディスクをまとめて車に乗せる。
隅田と獄乃坂が車に乗り込み、会社へと戻る。
アニメーション制作スタジオと編集スタジオが離れている場合、送迎の車が出ることがあるのである。
隅田監督「獄乃坂さん、(尺)詰めるの上手いね。おかげで(カッティング)早く終わったよ」
獄乃坂「滅相もありやせん…(指)詰める前に破門になってしまいましたから…」
隅田監督「切るのもバッサリ行くよね。思い切りが良い」
獄乃坂「とんでもありやせん…切った張ったはもうこりごりでして…」
カッティングが終わり、1240秒のフォーマットが出来ると、絵が有ろうが無かろうが次回はアフレコ(アフターレコーディング)である。