表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アニメ演出、獄乃坂  作者: 二ノ宮大幸
6/17

6話

6話


アバン


数年前。


店員1「馬鹿野郎!もうここには来んなっつったろ!」


元極道の獄乃坂が店の裏口から追い出される。

店員1は強面の獄乃坂に全く怯んでいない。


店員1「お前クビ!クビなの!二度と顔出すんじゃねえ!」

獄乃坂「そんな!ここまで追い出されたら…」

店員2「獄乃坂さん、悪いね。あんた筋モンで顔が怖いんだ。だいぶ前からクレームが着ててね。あんたのような人が出入りしてるとウチの評判が落ちるんだよ」


雨の中、路地裏。元極道の獄乃坂が肩を落としている。獄乃坂、息子の写真を見る。息子はまだ幼い。


獄乃坂「ごめんな…父ちゃんまた無職になってもうた…」


しばらく雨にうたれていると、獄乃坂の前に男が現れる。


久保塚社長「お前さん、こんな所で何してるんだい?」


アニメーション制作会社社長、久保塚が獄乃坂に声をかけた。



Aパート


獄乃坂演出「なんてこった…ミレンちゃんの仇、敵幹部ブリオッシュ伯爵の父親は、過去に人間に殺されていたっちゅうことか」


獄乃坂が魔女っ子腐凛刺巣プリンちゃんの第8話のシナリオを読んでいる。

取り扱いにさえ注意すれば、社内アニメスタッフは、後話数のシナリオを読むことが出来るのである。


獄乃坂演出「なるほどのう…ブリオッシュ伯爵が外道に落ちたんは、そんな悲しい過去があったからなんやなあ…」

獄乃坂演出「ミレンちゃんを埋めたんは許せんが…たしかにワシも、もしオヤジ(組長)のタマ取られようもんなら、復讐の鬼になるかもしれん…」


獄乃坂が社内の席に座って夢想していると、新人制作進行の白瑛しらえが声をかけてくる。


白瑛制作「獄乃坂さんお疲れ様です」

獄乃坂演出「おお、お疲れさんです」

白瑛制作「作打ち(原画さんと演出さんの打ち合わせ)組みたいんですが、スケジュールの相談よろしいでしょうか?」

獄乃坂演出「ええ、もちろん」

白瑛制作「今週と来週で不都合な日はあります?」

獄乃坂演出「それでしたら、特にありやせんが…あ、今週の木曜日の夕方5時以降は、打ち合わせは外してもらえんもんですかねえ?」

白瑛制作「はい、わかりました。木曜日…17時…。ちなみに何かご予定が?」

獄乃坂演出「実はその日ー、べびーしったーさんが、来れなくてですな…子供を保育園に迎えに行かなくちゃあならんのですわ」

白瑛制作「あー、なるほ…ど?あ、お子さんがいらっしゃるんですね」


ベビーシッター:月曜日から土曜日までの午前7時から午後10時までのうち、1日10時間。月200時間まで利用可能(変更あり)。病児保育も受付可。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ