クロノの大罪と大罪
「ガハハハハハ!!!ただでさえ最強の私がより強くなるのだ!!貴様もこれでお終いだ!!」
「・・・・・・」
得意げに話すブーザルに失望の念を禁じ得ない
こいつ程、道化という言葉が似あう奴はそうはいないだろう
「ん~~?絶望しておるのか~?だが今更もう遅い!!!私をコケにした罪は重いぞ!!『サンダーボール』!!」
その瞬間、球状に顕現された雷が現れ稲妻が僕を襲う
「・・・・・・」
が、当然の様に【暴喰ノ口】の触手に捕まり喰われる
「なっ!!!なんだそれは?!!」
「【暴喰ノ口】・・・」
「!!!た・・・【大罪スキル】持ちだと?!!貴様も選ばれた【魔王】なのか?!!」
そう言いながら目に見えて狼狽え始める
・・・【大罪スキル】という言葉は初めて聞いたな
何か特別なスキルな様な感じだけど残念ながらブロウドさんに教えて貰った事も無い
(・・・まぁ良いか。)
正直、対峙している【魔王】よりも優先する事項ではない
それに感情で喚き立つブーザルが説明してくれるとも思えない
「貴様ぁ・・・【大罪スキル】を持っているからと調子に乗りおって!!【怠惰ナ脚】!!」
先程よりも僅かに重さを感じる
「わははははは!!!テクロスのステータスを手に入れた今、貴様なんぞただの雑魚だ!!ほら死ねぇ~【怠惰ナ脚】!!」
更に多重でスキルを仕掛けてくるも、僕自身は圧死されない
「な・・・何故だ?!何故死なない?!!」
「其が、脆弱故、我に死は、司らぬ・・・」
執事が言った通り、仮に僕と執事が戦っても1秒も掛からなかったのだろう
僕からすれば、ブーザルに執事のステータスが加算されても正直余り関係がない様だ
まぁ勿論、そんなこと教えないけれど
触手がブーザルを捕縛しようと襲い掛かるが
「こんなもん効かんわぁ!!」
といって触手を無理やり解除させる
「はぁ、はぁ・・・その程度のスキルで私をどうにか出来ると思ったか?馬鹿が!!」
明らかに息が切れているから連発すれば捕縛できるかもしれない
「魔法やスキルが効きにくいのであれば直接殴れば良い!!くらえぇーーーー!!!」
僕がそう考えていると、そう言いながら大振りで殴りつけてくる
「・・・・・・ぎゃあああああああああああーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
ブーザルに殴り付けられ少し吹き飛んだ僕は自分の口の中に少し鉄の味がするのを感じていた
ブーザルはこっちに近づいて来るのを利用して【暴喰ノ口】本体を起動させた事により・・・右脇腹の部分と左腕を喰われている
動揺の為か僕にかけていた【怠惰ナ脚】も解除されている
「く、喰われた!!いたいいたいたいいたいいたい!!!!!」
蹲りながら悶えて怯えている
・・・本当になんでこんな奴が【魔王】なんだろう?
「き、貴様!!私が此処まで苦しんでいるんだ!!早く助けろ!!!」
「・・・・・・」
「ぞ・・・属国になってやる!!貴様もそれで満足だろう?!」
「・・・・・・」
「本当に痛いんだ!!早く助けろ!!!」
「・・・・・・」
何というか・・・呆れ果てて言葉が出ない
僕が黙っているのを良い事に好き放題喚きたてるコイツにも腹が立ってくる
「おい!!聞いているのか?!属国になってやるから早く助けろ!!!」
「・・・黙れ」
「ひ、ひぃ!!」
ブーザルの顔を手で掴みながら命令する
「其の様な、二心ある羽虫を、我が属国に加える事は、無い・・・最後の、慈悲は、過ぎ去っている。」
「そ、そんな?!!このままだと私は死んでしまうぞ?!!魔族領の均衡が崩れてしまうぞ?!!」
「それこそが、我が望み・・・悪習は是さねば、ならぬ。」
「い、いやだ!!私は嫌だぞ!!死にたくない!!死にたくない!!」
「・・・【暴喰ノ口】」
起動させた瞬間、触手が伸び、ブーザルを捕縛する
傷を負い、心が折れている奴に解除できるはずも無く呆気なく捕縛されていた
「いやだ!!助けてたす!!!」
ーーーゴクンーーーーと黒い球体が咀嚼した音が聞こえた気がする・・・
こうして、【死国ブーザル】の【魔王】を殺し、国土を掌握するに至った
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