表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅵ章【クロノショウドウ】
95/640

【間章】死国と死の宣告


ガシャーンとグラスが割れた音が部屋に鳴り響く


「何が何でこうなるんじゃ?!!」


1人の魔族が顔を真っ赤にして怒り狂っている

その怒りの根本は1通の書状にあった

宛名は【黒家クロノス】と【遊戯国トリクトリロ】で連名されている


「ま、【魔王】様?!何か御座いましたか?!」

大きな音がした事により執事らしき従者が室内に駆け込んでくる


「何があるも無いも無いわ!!!これを読んでみろ!!」


執事は受け取った書状を読むにつれて顔面蒼白となっていく

「こ、これは・・・」


書状には書かれていた要件は大まかに2つ

1つ目は【遊戯国トリクトリロ】が【黒家クロノス】の属国となった旨

もう1つは【死国ブーザル】に対して【黒家クロノス】の属国となる様に命ずる旨

因みにそれを拒否するか一週間経過しても返答がない場合は問答無用で侵攻を開始すると記載されている

尚、大義名分としては【獣王国サンドラ】時代に侵攻してきたことに対する報復とされていた


「ぶ、ブーザル様・・・如何なされるおつもりですか?」


「無論返り討ちにしてやるわ!!!【黒家クロノス】だと?!どこの【魔王】か知らぬが新参者が跳ねてコチラにまで飛びつき寄って!!格の違いと言う者を教えてやる!!」


「し、しかし【魔王】様!あの【遊戯国トリクトリロ】を属国にした【魔王】です!!トリクトリロも周辺諸国で申しますと強国でした!それを同盟どころか属国とするクロノスに勝てる通りが有りません!言いたくは無いですが、この国はトリクトリロだけでも勝てる見込みは薄かったのですから・・・」


執事は差し出がましいとは自覚しつつも主の意に反する

このまま開戦し、クロノスとトリクトリロに同時に攻められれば万に一つも勝てるどおりが無い

それは国民に対しても無用な血を大量に流す事となり、運良く退けられても国としては運営できないのだ・・・


「う、五月蠅い!!・・・そ、そうだ!!他の国と同盟すればよいのだ!!それも3国も同盟出来れば数としても負ける事は無い!!どうだ?!言い案だろう?!!」


「同盟ですか・・・」


残念ながらその案は実現しない事を執事は知っている

それは主が他の【魔王】から実力がないと軽視されている事、にも拘わらず誰に対しても傲慢で強欲だ

その為に数年前に同盟の打診とアポイントを取り付けるだけでも自分自身が非常に苦労している


「それに我が国の兵はレイスだ!!獣人どもの様な物理攻撃しか出来ない兵等無意味よ!!」


「はぁ・・・」


これに対しても思う事がある

確かにこのこの国の魔族はレイスだ

物理攻撃に対しては滅法強いと言っても差支えが無い

だが、トリクトリロの魔族は悪魔族・・・魔法攻撃を得意とし天敵ともいえる国だった

同盟が成り立つならばいざ知らず、この国だけで2国を相手にするとなるとやはり勝てる通りは無い


それに加えて主はレイス達に膨大な重税を課しており、その日暮らしの彼ら自身の練度は低い

レイス族は状態異常の魔法を得意とするが直接的に撃破する力は足りない

まぁ、この主は【魔王】だけあってその限りでは無いが・・・


「そうと決まれば早く同盟の書状を出せ!!地方の民にも首都への召集命令をだすのだ!!」


そう言いながらウキウキとした表情を浮かべる【魔王】とは対照的に執事は暗い面持ちを表わしてしまう


(これ程、この国に再誕した事を呪った事は無い・・・)

そう思いながら主に一礼して部屋の外へ出る


「未練を残しながら死んで・・・レイスとしてこの国に再誕し・・・また死んで逝く・・・私たちレイスとは一体何なんだろうか・・・」

そう呟きながら窓の外を見る彼を責める者は誰もいない



・・・それから一週間後、彼の予想通り、同盟に賛同してくれる国等存在せずに開戦する事となった


いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非とも宜しくお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ