クロノの承諾と掌握
「我に、牙を剝く、か・・・」
ロキフェルの宣言を聞いて思ってしまう
だったら同盟でも良いんじゃないか?と・・・
「其の腹積もりは、同盟では、事足りぬか?」
「はっ、同盟とは紙きれの様なものです。クロノ様が他国侵攻に成功し属国が集まりトリクトリロとの同盟破棄を宣言された場合、こちらは最早手の打ちようがありません。であれば、属国となり庇護下に加わり悪魔族の安寧を求めたいのです。」
成程な・・・
この考えには納得が出来る
「其の言、確かに受け入れた。【遊戯国トリクトリロ】を、【黒家クロノス】の属国と認めよう・・・」
「はっ!有難う御座います!!」
自分の肩に掛かる魔族が増えた事にプレッシャーで押しつぶされそうになる・・・
(でも、これが僕が選んだ道だ。)
そう自分自身鼓舞していく
・・・ロキフェル達が部下となるんだったら、僕の素顔を見せないといけないかもしれない
獣人たちは知っていて、彼らが知らないとなると無用な諍いが起こるかもしれない
「其は、我の素顔を、所望していたな・・・?」
「え?!見せて貰えるの?!!!」
食い気味に顔を上げて口調も戻る
心の中で苦笑しながら仮面を外し、フードを取るとキラキラした表情でこちらを見つめてくる
「ん?んんん?!ん?!人族?!!!」
そこから大興奮したロキフェルを落ち着かせるのが1番大変だった・・・
◇
◇
◇
「いや~!!お兄さんもシビアだったんだねぇ~!!」
会議室で今までの経緯を話し終わると感心した様にそう話し出す
何か最近この話ばかりしている気がすなぁ・・・等と考えてると聞きなれない単語が出てくる
「・・・お兄さん?」
「そ!お兄さん!!今更クロノ様というのも違和感あるし、呼び捨ても勿論いけない。僕なりの妥協点かな?勿論、公的な場ではしっかりするよ?だから会議の場だったら許してほしいかな!!」
「ロキフェルさん、それは余りにも「いや、別に良いよ。」」
ルーシャが文句を言いかけるのを被せて許可を出す
「こういう会議は忌憚のない意見を言う事が出来る環境が必要だ。変に言いにくかったり委縮する位だったら呼び方は何でも良い。ルーシャもクロノさんやクロノでも僕は大丈夫だから。」
「・・・私はクロノ様の方がしっくりきますのでクロノ様とお呼びします。」
ややふくれっ面でそう答えるルーシャに僕は苦笑してしまう
「じゃぁロキフェル、属国の件と防衛の件は任せた。その上で僕等は【ズファイオ魔帝国】へのルートである【魔騎士国ブラバンザ】へ行こうと思うんだけどどうかな?」
僕がそう尋ねるとロキフェルはう~んと考え出す。
「勿論、最短距離でいうならばブラバンザなんだけど・・・僕としてはまずは【死国ブーザル】をおススメするかな?」
「【死国ブーザル】って、クロノスとトリクトリロに隣接した国だね?」
「そう、おススメ理由は3つ。1つ目は【魔王】がお兄ちゃんより確実に弱い。近隣【魔王】からも舐められている位弱いんだ。まぁ勿論、通常魔族よりは実力はあるけどね。2つ目はこいつ性格が最悪!!だから国民は従っているけれども人望と言う点に関しては無いと断言できる。最後ね、こいつを放置しているとクロノスもトリクトリロもどちらも攻められやすくなっちゃう。だから先ずはこの国を叩くか属国にして周辺警備を一辺化しておきたい。」
成程な・・・確かにロキフェルの言う事も分かる。
人族の襲撃よりは他国の侵攻の方が脅威だ
僕が居ないとロキフェルが守りの要となるが縦横無尽に守りに行くのは効率的ではない
だからこそのブーザル侵攻か・・・
獣人たちの方へ視線を向けると全員が頷く
「よし、じゃあ先ずは【死国ブーザル】だ!!ルーシャ、ブーザルに対して書面を送っておいてくれ。ロキフェルとマリトナは獣人と共にトリクトリロが属国になった旨の書状を作成、告知を頼む。その他の皆はクロノスとトリクトリロの生活水準を比較し互いの問題点、改善点を調査報告書を作成してくれ。」
「「「はっ!!」」」
こうして僕の初めての侵攻作戦が始まった
いつも有難う御座います!!
「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非とも宜しくお願い致します!!
ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!




