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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅵ章【クロノショウドウ】
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クロノと属国と増幅


「・・・クロノ、君が僕と会談したいという内容だけど・・・僕たちに属国になれって事かな?」

おもむろに口を開きロキフェルはそう尋ねてくる

いやいや、同盟国にそんな事を言う訳が無い!!


「非ず。其には、我が侵攻最中、クロノスの堅守を、要請する。」


「堅守?・・・要は防衛?」

僕の言葉を聞いてキョトンとした表情を浮かべながら聞いてくる


「然り。我は侵攻す、其は堅守す。報酬は我が戦果を、折半としよう・・・」

正直、この配分は会議でかなり揉めたんだよなぁ・・・

本来はどうしても侵攻する方が備蓄の減りも激しいし被害が大きい

でも今回は基本的に僕だけで侵攻する

それを顧みるとこちらにも十分に利がある

それに・・・ロキフェル達にとっても、ただ守るだけで戦果が半分貰えると考えるとクロノスで要らない動きをする気も起きずらいだろうという算段だ


「ははは・・・」

ロキフェルが何故か乾いた笑いを口から出す


「クロノ、君は何と言うか・・・お人よしだぜ?普通、【魔王】は互いにけん制し警戒するもんだよ。同盟国とは言え、他国に対して越境の許可?戦果の半分?そんな事は有り得ないよ。」


「其は、()()()だろう?」

そう告げると笑いがピタッと止みこちらをジッと見つめてくる


「・・・・・・」

ロキフェルが無言で見つめ続けてくるので沈黙が空間を支配する

正直、居心地は良くないが思考を妨げる事になる為にこちらも黙るしかない


「・・・決めた。」

数分の沈黙の後に突然ロキフェルが声を発する


「マリトナ!!」


「はっ!!」


「僕はクロノに付いて行くよ!」


「・・・本気ですか?」


「うん!そっちの方が面白いからね!!これからも色々と見せてもらえそうでしょ?」


「・・・ロキフェル様が決断されたのでしたら何も申しません。けれども我々の主は貴方様です。」


「まぁ。クロノだったらそこら辺も顧みてくれるだろ?・・・クロノ。」

マリトナと話していたかと思うとこちらに視線を向けてくる

本来は【魔王】間同士での会談で先程の様な事は礼儀知らずらしいが、相談は必要だからな・・・

そう思っていると、ロキフェルは立ち上がりこちらに近づいてくる


「!!!」

近衛兵がロキフェルに対し剣を向けようとするがそれを手で制する

殺気が感じられないから大丈夫だろうと思っていると5mほど手前で立ち止まり、突然跪いてくる


「??!!」


「【遊戯国トリクトリロ】、【魔王】ロキフェル=トリス・・・今この時この場所により【黒家クロノス】の【魔王】クロノ=エンドロール様の属国として庇護下に加わります。」

突然そう宣言してきた


「・・・何故だ?」

急にその様な話になり、僕としても頭が働かない

周りの皆も驚愕の表情を浮かべている中、絞り出せる言葉はこれが精いっぱいだった


「僕ら悪魔族は魔力は高いですが、身体能力は他種族と比べても弱い種族です。そんな僕らは遅かれ早かれこの魔族の中では淘汰される種族なのは自覚しておりました・・・」

今までの軽いノリで話す訳では無く真剣に語っているのが理解できる


「ですから僕は他の【魔王】から差別区別、悪魔族に不利益にならない存在を探しておりました。」


「それが・・・我と・・・?」


「はっ。クロノ様は獣人族ではないにも拘わらず、獣人の生活を第一にお考えなさっておられる。その証拠に突如責められる可能性を考慮し、同盟国である我らに実質的に頭を下げていらっしゃる・・・その様な【魔王】様であればトリクトリロも安泰であると考えた末の決断です。ただ・・・」


「ただ?」


「【魔王】様が先程の話を翻し、悪魔族に対し不当な扱いを与えるのであれば・・・僕は、この国に牙を剝きます。故に属国の宣言はすれども忠誠は誓いません。」


頭を下げながらも彼はハッキリと僕にそう宣言したのだった・・・

























いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非とも宜しくお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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