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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅴ章【アカイホノオガモエタテルトキ】
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アカノの傷と気付き


「アカノ様、有難う御座いました!またお会いしましょ~!!」

荷馬車部分からロールが手を振りながら商人たちと共に町を出た

私も手を振って見送り、見えなくなってから踵を返す


「まずはギルドへ向かうか…」

そう呟いてからギルドへ向かう商人たちから回復魔法を受けたモノの思っていたより傷は深かった様で完治とまでは至らなかった傷が若干痛んだ…



「アカノ=エンドロールです。伝言が到着しているか確認に参りました。」

ギルドに到着し受付嬢に話しかける


「いらっしゃいませアカノ=エンドロール様。アカノ様がお立寄りになられると支部長のお部屋へお通しする様に仰せつかっております。ご案内いたしますのでこちらへどうぞ。」

そう受付嬢に誘導され執務室に向かっていった




「失礼いたします。支部長、アカノ=エンドロール様がお立寄りになられました。」


「どうぞ。」

扉の奥から先日に会った支部長の声が聞こえる

扉を開けて貰うと支部長は顔をこちらに向ける


「アカノ様、ようこそお立ち寄り頂きました。こちらのソファーにお掛けください。」

支部長に促された場所に腰を掛ける

その後に受付嬢から飲み物を出され2人きりになった所で支部長は口を開く


「アカノ様、大変お待たせして申し訳ございませんでした。本日に【フィングルス王国】ギルドマスターのルナエラ様からのお手紙が到着致しました。」

そう言って渡してきた手紙を開く


……


まずは無事に【サンドール商業国】に到着した事を喜んだ内容

新たに魔族を倒した事によるギルドマスターとしての礼

そしてクロノの手掛かりは今の所無いという謝罪内容と冒険者が【嘆きの森】に入ってもクロノの遺品と言えるものも何も見つかっていないという内容

私は無茶をするのだから気を付けろと言う内容が

最後に【サンドール商業国】の【名誉騎士】にもなっているから宜しくという様な内容がしたためられていた


手紙を一読して私は静かに手紙を閉じて暫し思案する


【嘆きの森】から【真祖】がいなくなり、冒険者が再び入っても遺品らしいものが見当たらない…

それはある意味では不自然だ


魔物に襲われて命を落としたとしても衣服の切れ端や装備品、遺体が丸ごと無くなる様な大型な魔物はあそこにはいない

逆説的に考えるならばローエル達に危害をくわされていたとしても生きていたと考えるべきだ

つまり…自分で切り抜けたか、今も【嘆きの森】に隠れ住んでいるか、誰かに助けられたか…


客観的に考えると自分で切り抜けるのは不可能だ

万全の状態でもクロノ単独ではあの森を切り抜ける事は出来ない


【嘆きの森】に隠れて住み続けていたなら、後発に訪れた冒険者に声掛けるなり身の安全の為に隠れてついていくだろう


誰かに助けられた……誰に?



……!!!


1つの答えに帰結して身震いする


もし


もしも


【真祖】に助けられたとしたら?!!


【嘆きの森】が立ち入り禁止となっていたのは【フィングルス王国】のみだった為、他国の冒険者に救助された可能性もある

あるが…【サンドール商業国】で目撃情報が殆ど無い今となると【真祖】に助けられたと考えた方が腑に落ちる!!


【サンドール商業国】評議会で目撃情報を聞いた時に感じた違和感はこれだったのだ!!

そう気づいた瞬間に焦燥感に駆られる


【真祖】が、考えるならばクロノを助けたか殺したかのどちらかだ…

あの場所にいた【真祖】はヴァンパイアだった筈だ


ヴァンパイアは人族の血を吸い、眷属化させる魔族だったと記憶している

であるならば無為に連れ出し殺すという可能性は低いとも考えられる


血を吸われた人族が眷属された後に自我があるのかは分からない

分からないけれども…


(生きている可能性が上がって来る)


そう思うだけで歓喜が身体を駆け巡る

身体が熱くゾクゾクし、心は高揚する


クロノと逢う


私はこの決意を改めて心に刻んだ



















いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非是非宜しくお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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