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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅴ章【アカイホノオガモエタテルトキ】
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アカノの苦境と苦痛


「ロー…エルなの…か?」

突然現れた魔族となったローエルに動揺してしまう…

顔はローエルそのものであるものの背中には蝙蝠の様な羽を生やし、頭からは角が生えていた


「あぁそうだ!!お前に人生をメチャクチャにされた【勇者】ローエル様だ!!まさかお前がこの場所にいるとはなぁ…アイツに殺られかけて逃げてきた途端運が巡ってきたぜ!!」

そう言いながら獰猛な表情でこちらを睨む


先程も気付いてはいたが、ローエルと思わしき魔族は負傷していた


羽は一部破損しており、身体は傷だらけ、右の腕を失っている


「ローエル…貴様の片腕は私が斬り刻んだ筈だが…」

そう聞くとより獰猛な表情をあらわす


「あぁ!!お前に斬り刻まれたよ!!だがな!魔族になりゃそんなもん関係ねぇ!!あっさり復元されたぜ!なのに、なのに…」


「また誰かに斬られた、か…」


「うるせぇ!!お前もアイツも!!俺を認めない全てをぶっ殺してやる!!」

そう叫んだ瞬間ローエルの魔力が体内で急激に高まる


「片手でよぉ…傍に無能がいてよぉ…これを捌けるかぁ??!」

そう言いながら体内から魔力を噴出させるとその魔力が数十の虫型魔物に形成されていった


「行けぇお前ら!!俺様の腕をいわせた牝豚をいわしちまえ!!」

下品だな…と思うと同時にローエルの号令の下に虫型の魔物が襲い掛かって来る


「これは…マズイな…」

思わず誰に言うでもなく呟いてしまう

サークルエンドは後ろにロールがおり、背後の敵を斬り伏せる時に彼女も巻き込んでしまう為に使用できない

ロールを襲わないとも限らない彼女と離れて戦う事も得策ではない


「ロール!!私の足元に伏せろ!!絶対に身体を上げないでくれ!!」

「は、はい!!!」

私がそう言うと彼女は私の足元で屈んで震えている


「インフェルノ・イーター!!」

炎の波が虫型の魔物襲い掛かるが、魔物たちに飛んで躱される

両手持ちスキルの為に十全な効果は期待していなかったが…予想以上に威力が弱すぎた


「くっ!!」

スキル発動の隙間時間を突いて魔物たちは容赦なく襲い掛かって来る

その猛攻と呼んでも相違ない攻撃を捌いていくも防戦一方となってしまい魔物に炎を纏わせるのも満足できなかった


「おいおいおい!!【剣聖】アカノ=エンドロール様ともあろう御方が防戦一方かぁ?!」

ローエルが挑発してくるが正直それ所ではない為に耳を貸さない


「幾ら【剣聖】と言っても人族なんざその程度なんだよ!!俺は【勇者】だ!!俺は魔族だ!!【勇者】で魔族である俺こそが最強なんだ!!」

かなり興奮しているのだろうか?そんな事をがなり立てている


「お前も!あいつも!!俺に跪くべきなんだ!!いや世界中の奴らが俺に跪くべきだ!!」

あいつとは誰の事かは知る由もないが、恐らく腕を奪われた存在の事だろうと結論付ける


「グッ!!」

防戦一方ではあったものの魔物の攻撃を少しずつ受けてしまう


「ざまねぇな!!俺の配下程度で攻撃を受けちまうとはなぁ?!スタミナか?!ケガをしたからか?!無能がそばにいるからかぁ?!お前はいつも無能に振り回されているなぁ!!?」

そう言われた瞬間に頭が真っ白になる

こいつの言葉は…ロールだけではなくクロノをも無能扱いしている


「ソニックウェイブ!!」

「ギっ!!」

スキルを発動させ、剣戟の波が魔物に襲い掛かり数匹を斬り刻んだ


けれどもスキル発動の隙間を縫って他の魔物が私に襲い掛かる

「カッ!!」

右足に複数の切り傷を受けてしまい、より立ち回れなくなってしまった


「ギャハハハハハハ!!ざまぁねぇな!!お前が俺の奴隷となるって言うのなら助けてやるぜぇ~?」

「…下種が。お前に従うならばこの虫に従う方がマシだ。」

思わず口走った言葉にローエルの表情は暫し呆然としている


「てめぇ…」

我に返ったローエルの表情はみるみるうちに怒りの表情が映し出される


「じゃぁ死んじまえよぉぉぉぉおぉぉ!!!!」

ローエルはそう叫んだかと思うと、急速的に間合いを詰めて私に向けて拳を振りかざしてきた


「駄目か…」

ローエルが繰り出してきた打撃を観察する

魔力量、スピード、攻撃力全てを観察しても、今の私では躱す事む受け止める事も出来ない事は明確だった


「しねぇぇぇぇぇぇぇっぇぇぇ!!!!」

そんなローエルの表情を見ながら思う事はやはりクロノの事だった


「無念だ…」

クロノを探す事も出来ずにここで死ぬ事は無念だ

そう思うと思わず出てしまった言葉


これが私の最後の言葉かと思うと少しだけ可笑しくて、少しだけ寂しかった

奴の攻撃が私にめり込もうするその瞬間、




----シュパッ-----



そんな鋭利で静かな音が聞こえた瞬間


「………へ?」


ローエルの首が斬られており、()()の掌に置かれていたローエルの首は、間抜けな言葉を発していた…


その異様な何かがローエルに静かに…けれども無機質で冷たい声色で

































「其に、慈悲は、ない…」




そう告げていた





いつも有難う御座います!!

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非とも宜しくお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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