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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
最終章【解体神書】
639/640

【安寧・安静】


「これで懸念事項も振り払ったかな?」


【神】はそう呟きながら傍らで伏しているロキフェルに視線をやる

無防備な状態でまともに彼の斬撃を受けた事を考慮すれば、深く考えなくとも死亡、若しくは致命傷である事は容易に想像できる

それに加えて伏した身体から大量の血液が流れ出ている事をその予測を充分に裏付けている


「あのままどうなるかを観察しておきたい気持ちはあった・・・が、それは全体のパフォーマンスを下げる結果に成り得るからね。」


誰に告げるでもなく自分に言い聞かせる様にそう呟くと踵を返す

【神】の思考にはマリトナやロキフェル、クロノの事などは既に頭にない

有るのは次の世界、次の次の世界をどの様に創造していくかという1点のみだった




ーーージャリッーーー




「・・・・・・・・・?」


突如、誰かが身体を動かしたかの様な音が【神】の耳に届く

思わ振り返り、音のする方へ耳視線を向ける


だが、至極当然の様に目に映るのは横たわるロキフェルとうつ伏せているクロノのみ

死に瀕したロキフェルが間際に動いたのかもしれないが、魔力も弱弱しくなっており襲い掛かって来る様子は微塵も感じられない


「気のせいでも気のせいで無くともどちらでも良いか・・・」


ロキフェルが動いたにしても動いていないにしてもどうでも良い

それよりは次の世界、次の次の世界に対して検討する方が遥かに重要だと思いなおし、再度ティーカップを置いているテーブルの方へ視線を戻した




ーーーガリッーーー



「・・・・・・未だ死んでいないのか。」


また身体を動かしたかの様が耳に届き、思わずボヤく

速度を重要視した結果、即死させることが出来なかったのは致し方ない

だが・・・瀕死であるとは言え、未だ足掻くける事が出来るかの様な斬撃であったつもりでもない

速度を重要視したとは言え【神】の一撃を受けて尚、死に至らせる事が出来なかった事に不満が残った


振り返って今度こそ止めを刺すかとも思案するが・・・【神】としてのプライドと無駄なタスクを執り行いたくないという理由で振り返る事なくそのまま歩みを進めていった




ーーーザッーーー




「流石に見苦しい・・・いや聞き苦しいな。」


後方から聞こえてくる音が、【神】は完璧ではないと告げているかの様に聞こえ

【神】としてのプライドを傷つけて来る



『【神】は完璧ではない』



暗にそう言われている様で苛立ちの感情が僅かにこみ上げて来る

【神】の立場からすれば負け惜しみ、羽虫以下の存在が何か言っていると一笑にふすこともできた

出来たが・・・それは【神】の心情からすれば出来ない事だった


「心の安寧の為に・・・止めを刺すか。」


無駄なタスクが増えてしまうし、このまま放置しても直ぐに死ぬだろう

だが・・・この僅かな苛立ちを1秒でも早く静めていかないと考えも纏まらない

そう思い立ち、今来た道を引き返す為に身体をロキフェル達の方へ向けなおした




































「やぁ。」




















たった一言そう告げられたと同時に激しい痛みが【神】の腹部を貫いた




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