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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
最終章【解体神書】
636/640

【仮定・鑑定】


「消失が可能か、だと・・・?君が何を言いたいのか理解に苦しむね。」


そう言った【神】の表情は突飛な事を言い出したロキフェルに対して馬鹿にしたかの様に映る

だが、そう言われた当の本人は淡々と言葉を続けていく


「ふと思ったのだけど、生物の脳から消失させるのって多大な労力と繊細な作業が必要じゃない?お兄さんの場合は全てという事だから力技でどうにかなるとしても・・・世界中の生物から科学?だけを消失させるって・・・異常な労力が必要だよね?徹底した合理主義な【神】がそんな事をするのかなぁってね。」


「・・・ふん、だったら私はどう言う手段を取っていると考えているのだ?」


暫しの沈黙の後に【神】は精一杯反論する

だがその質問を予想していたのかの様に言葉を続けていく


「ちょっと考えていたのだけれど・・・遮断しているのじゃないかなぁ、と。」


「・・・・・・遮断?」


「そう、例えば・・・【記憶の衣】が捲れる時に記憶が消失されるのではなく、【記憶の衣】が捲れて脳の情報系統や記憶の箇所に覆いかぶさって理解出来なくなるのじゃないかな?」


「・・・・・・・・・」


「これだと1度【記憶の衣】で覆ってしまえば消失しても新たに思いついたモノを監視しなくても良いからね。」


「・・・・・・フッフッフッ」


ロキフェルが自分なりの説を説明し終えると同時に肩を震わせて笑い出す


「フフフフ・・・ハハハハハハハハハッッ!!大した、大した妄想だよっ!!この私ですら想像だにしたことが無い大掛かりな妄想っ!!此処まで荒唐無稽であれば君に尊敬の念すら禁じ得ないよっ!!」


「・・・・・・そりゃどうも。」


ロキフェルは暗に馬鹿にされながらもそれに対して怒りの表情を浮かべる事も無く淡々と返答する

それがより【神】がロキフェルを嘲笑する要因ともなった


「だが、仮に君の妄想が正しいとしてもだっ!どうやって対処するっ?!!消失ではなく遮断だとしてもその遮断しているものをどう取り除くっ?!!」


「もしそうなら簡単だよ、本能を刺激する・・・【色欲イザナウ目】」


そう答えると同時に、準備を終えたロキフェルはクロノに向かって【大罪スキル】を発動させた


ーーービクンーーー


するとあれだけ何の動きも無かったクロノの身体が突如痙攣で震えだした


「なっ?!!!」


「【神】なら知らない筈が無いと思うけど・・・【色欲イザナウ目】はマーキングしたモノの位置情報の把握、人心掌握・・・そして相手の本能を引きずり出す事が出来るスキルだ。」


「っっ?!!」


「だから僕はお兄さんの本能を刺激して、【無知ナ脳】により覆われている衣を突き破らせようとしているのさ。・・・これで僕の説は正しいという事で良いのかな?」


「きさ「斬る」ぁぁぁぁぁーーーーーーーーーー!!!!」


【神】が反論しようとすると同時にマリトナが【神】の背後から無造作に斬りつける

そしてその瞬間、【神】の背中に血飛沫が舞い散っていった


「ほう、【神】といえども血はでるのだな?」


「そりゃあ僕らは【神】のロールモデルだろうから、血も出るんだろうねぇ。」


血飛沫を上げる【神】を挟んでロキフェルとマリトナの剣吞なやりとりが行われた

ただ・・・その表情には一片の余裕すら感じる事は出来なかったのだが・・・

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