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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
最終章【解体神書】
632/640

【大罪・介在】


「君たちは忘れているよ。この世界で最も罪深く、されども背負わざるを得ない業を、ね。」


「・・・・・・」


【神】とも戦闘経験があるクロノでさえも身体が硬直してしまう程の暴力的な魔力・・・

それは余りの魔力故にクロノが言葉を発せられなくなるにも充分な事象だった


「【無知】・・・それが大罪の根源であり、絶対だ。」


「・・・・・・」


「誰もが知識や知恵を得る・・・だが誰もが全てを知り得ない。全てを知り得ないという事は知らないという事だ。知らないという事は・・・間違いなく【大罪】だよ。」


「・・・・・・」


「根源足る【無知】に対抗するには、枝葉に分かれた【大罪】にて賄わなければ対抗足り得ない。だが・・・其が持ちうる【大罪】は5つ。そして【傲慢】を我が持っている時点で其と我の結末が運命と同様に覆る事など有り得んと思うが良い。」


「っっ!!!」


【神】がそう宣言すると同時に、膨れ上がった膨大な魔力の全てがこれ以上に無い位に膨れ上がっていく

それはより濃密に・・・そしてより膨大に・・・

人族はおろか、魔族や龍族、【真祖】にも至る事は出来ないで有ろう極致

最早クロノには身構えるであったり迎撃すると言った思考は無く、ただ目の前の【神】が行う事を見ている事しか許されないかの様に思えた


「さらばだ、クロノ=エンドロール。今までの【錬金】等という派生の児戯とは違う、真の【大罪スキル】を味わうが良い・・・【無知ナ脳】。」


そう言った瞬間、クロノの周りを神々しいレースの様なモノが幾重にも重なり囲い込む


「これ、は・・・?」


「【記憶ノ衣】と私は呼んでいる。【記憶の衣】が1枚1枚捲れ上がる毎に、其は記憶を完全に消失していく事となる。」


「・・・っ!!!」


「其の出自、スキル、称号・・・戦い方、思想、思考・・・武器の持ち方まで、ね。あぁ勿論、アカノ=エンドロールやカノン=エンドロール、【魔王】関連の全ても綺麗さっぱり消失していくよ?」


「なっ?!!」


「本来【無知ナ脳】は、この世界を対象とした射程範囲を誇り、ある一点のみを対象とした使い方をしていたんだ。例えば科学だったり宇宙や宇宙のその奥の深淵だったりね。」


「科、学・・・?宇宙・・・?何を言っているんだ?」


「そうだろう?生物が生活していく上で科学を知らないなんて本来は有り得ない。にも拘わらずこの世界の誰もが思いつかず、探究しない。それこそが【無知ナ脳】の効力さ。そしてその全てを其に一極集中させるとすれば・・・どうなると思う?」


「や・・・やめろぉーーー!!」


クロノは世界全てが射程範囲効力を持つスキルを自分にだけ発動された瞬間を創造し、思わず叫びだす

だが・・・当然の様に【無知ナ脳】の発動が止まる事は無かった


「ほら、また衣が1枚捲れ上がった。一体何を忘れたんだろうねぇ?」


「っっ!!!【暴喰王ノ「許さない。」」


クロノの掌に集まっていった魔力が【神】の一言で霧散していく

その様を呆然とした表情で眺めるクロノに対し、【神】が笑みを浮かべながら言葉を発する


「先程に【錬金】は【無知ナ脳】の派生と言っただろ?実は錬金の理屈は小難しい話ではない。其が【暴喰王ノ口】を放とうとしたその瞬間、【暴喰王ノ口】の存在を薄っすらと忘却させているだけなんだよ。」


「け、けどっっ!!!「言いたいことは理解しているよ。何故大剣は霧散し突如壁が出来るのか、だろう?簡単な理屈さ。大剣は大剣である事を忘れ、床は床である事を忘れた。ただそれだけの事さ。後は魔力をホンの僅かだけ流し込み知識を刷り込む・・・ただそれだけの事だよ。」


クロノの疑問に対し、【神】は実に下らなそうな表情を浮かべて淡々と説明した

そしてその説明が・・・クロノをより絶望の淵に立たせていった




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