アカノの多幸の堪能
「この・・・蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲蟲が!!」
・・・・・・・・・・・・
「よ、よよよよよよよよよよよりにもよって妾の啓示を・・・妾の啓示をぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
・・・・・・・・・
「しかも妾に対して・・・この穢れた下界に住めとっ?!!!最早蟲の罪は万死に値する所ではないわっ!!!嬲って嬲って嬲って嬲り倒した末にこの世界を食い尽くす様を見せつけたるわっっ!!」
・・・・・・
「重ね重ね【神】を愚弄したこの罪・・・この世界如きでどうにかなると思わんときやぁ?!!」
・・・
「・・・五月蠅いなぁ。」
「・・・ん」
最早二度と聞こえない筈の愛しい人の声を耳にし、薄っすらと目を開ける
私は死んだ・・・筈だ
なのにクロノの声が聞こえると言う事は私は死ななかったにだろうか・・・?
それとも此処が死後の世界なのだろうか?等と考えながら目を開いた先には・・・
「此処は・・・死後の世界よね?」
私の目に映る光景はどう考えても現世の世界のソレではなかった・・・
辺り一面を覆い隠す程の巨大な触手に囲まれ、私が居た古城の天井すらも見えない
そのおどろおどろしい光景は人によっては心が壊れてしまうであろう程に異様な光景だ
そしてそんな異様な光景の中心に座しているのは・・・この世のモノとは思えない絶対的な存在であるナニカと・・・見間違える事は無い・・・私の愛しい人、クロノ=エンドロールだった・・・
「ク・・・ロ・・・ノ・・・?」
目覚めたばかりで声が全くでない
恐らくこんな声量ではクロノに声は届かない・・・そう思っていたのだが・・・
「あぁ、目覚めたんだね。」
そう言ってクロノは私に視線を向けて来る
そして、クロノの目線は意外にも先程までの敵視する様な視線では無かった
「クロノ・・・?」
「この蟲・・・こうなれば妾自らそこの蟲を喰えば・・・いや、それでも妾の啓示はひん曲がってまうっ!!!」
私の問いかけに応えたのはクロノでは無く、巨大なナニカ・・・
クロノは何故、あんなモノの正面に立ちふさがっているのだろう?
「だから僕は君に許可を求めたじゃないか?それを認められないのなら・・・実力で行使するしかないよね?」
「【神】が啓示した事を無理やり行使する事自体が罪えぇぇぇぇぇぇ!!!!」
【神】?!!
今、目の前のナニカは自分の事を【神】だと言った?
絶対的な強者・・・いや強者と言う言葉が陳腐に聞こえる存在足る【神】・・・
言われてしまえばそれ以外に無いだろうと思えてしまう程の存在感
けれど・・・あの姿形は私の降ろした【剣神】ではないだろう
周りを囲う触手や雰囲気を省みるにあれは・・・
「あぁ・・・私は命を賭けても勝てなかったのね・・・」
私の降ろした【剣神】はやられたのあろう
それもあの【神】か、それともクロノに・・・
そして何らかの理由でクロノと【神】が対立しているのが現状という事だ
(そしてその理由は恐らく・・・)
私だ
先程の【神】の口ぶりからすれば・・・【神】は私を殺したい
そしてクロノが止めているのであろう事は容易に想像できる
(あぁ・・・)
私はその真実にたどり着いた瞬間、強烈な多幸感に襲われる
クロノに守られている・・・なんと甘美で魅惑的な響きだろうか・・・
正に今、【神】に襲われかけているというのに・・・この多幸感から私は逃れられない
「さて・・・いつまでも此処で話をしてもキリがないね。悪いけれど場所を変えさせてもらうよ。」
そんな私を現実に引き戻したのはクロノのそんな一言だった
「重ね重ねこの蟲は・・・誰が蟲のか細い鳴き声に耳貸す言うとるねんっ?!!!」
「悪いけれど君に拒否権は無いよ。」
そう言った瞬間、クロノに膨大な魔力が集まっていく
「ずっと不思議に思ってたんだ・・・暴喰で喰ったモノは何処にいってるんだろうなって。」
「何処にもいかへんっ!!!喰らうだけの存在、それ故に【暴喰】なんや!!!!」
「ハッキリいってそれは有り得ない。」
「・・・なんやて?【暴喰】の【神】である妾の言葉を否定するんか?」
【神】・・・いや【暴喰神】の言葉にクロノは淡々と返答した