神の格と核
「フフフフ・・・ホンに滑稽やわぁ~・・・」
眼前に両手両足は勿論、腹部も胸部も喰われてもぉて頭と首だけの堕神を見据えてそう呟いてまう
下界のモンならばいざ知らず、【神】は存在が生命という事もあるさかい、この状態でも死ぬ事は有り得へん
けどまぁ・・・死んでないという事を差し引いても滑稽なんは間違いないけどね
「・・・貴様・・・は・・・い・・・たい・・・?」
折角妾が此処まで懇切丁寧に説明しても理解出来ないのは正気なんかを疑ってしまう
いやまぁ、正気やないから理解出来ひん、いや理解しようとせぇへんのやろうけどね・・・
「主さんが【神】である様に、妾も【神】でありんすよ。ただ・・・先ほども申しました通り、主さんと妾では文字通り【神】としての格が違いますよって。」
「【神】の・・・かく・・・?」
その言葉を聞いて思わず溜息が漏れても仕方ないやろうなぁ・・・
この【剣神】とかいう堕神は、堕神であるだけや無く愚神でもあるという事や
【神】であれば全ての【神】は同列だとでも思うてはったんやろか・・・?
「そらそうどす。【神】と呼ばれる存在なんて、なんぼでもおります。それら全てが同列であれば幾ら互いが【神】同士であろうとも諍いがおきますえ?だからこそ妾たちの親を唯一の【神】とし、その下に格というものが存在するんえ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「主さんはその【神】の格でいう所の・・・下から2番目という所でしょうなぁ。そんな【神】が妾に刃向かうんはホンマに滑稽で滑稽で・・・」
挑発するかの様にクスクスと嗤ってしまう
私のその様子を呆然と眺める【剣神】はんのお顔も滑稽やわぁ
「妾はその格でいう所の上から2番目。下界で創造された主さんと違い、妾は下界が存在するだけでそこにある【神】や。文字通り格が違いますえ。」
「・・・下界のモノが・・・何だと・・・言う・・・?我は【神】・・・【剣神】だぞっ?!!」
その言葉を聞いた瞬間、自分の殺意を抑える事が出来ひんかった
殺意のまんま、首だけの小僧を滅さんかった妾を誰か褒めてほしいわ
この小僧はホンマ・・・何を言うてんねやろ?
「あんなぁ小僧、【神】が【神】足る所以は何処から来てるんか解っとるんかえ?【神】はな、下界のモン在りきで【神】足るんや。下界のもんがおらんかったら、そもそも剣なんて言う概念は無く、小僧なんか【神】はおろか、存在すらも無かったやで。」
「そ・・・んな・・・わけ・・・」
「良いか?それが格や。下界のモンが居らんとも生物がそこに居れば【暴喰神】である妾はそこに存在する。何故なら満たされるまで喰らう事は生物としての本能やからな。せやけど小僧は違うえ。下界に知的生命体がおり、剣という概念が創造されなければ存在しない。そんな脆弱な【神】なんえ。」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「小僧が見下した下界のモンこそが小僧の存在を許す唯一の手段え。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
此処まで言うたら堕神で愚神で弱神でも妾のいう事は理解してくれたやろか?
まぁ今更理解した所で、妾に楯突いた末路は変わらへんけどねぇ
「・・・くそっ、だが・・・次は・・・」
ふぅん・・・悔しがっ取る言う事は妾の言うた100分の1くらいは理解した言う事やろね
けどなぁ・・・小僧は妾といつか再戦をとでも考えとるんやろか?
確かにスキルで下界に降り立った妾達は敗北してもアッチに戻るだけやからね
・・・通常はやけどね
「悪いけどなぁ、妾は小僧とこれ以上戯れる気はあらへんよ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・強くなり・・・再度挑む。」
やっぱり再戦を考えとるみたいやね
けどまぁ・・・そうはいかへんのは【神】の世界でも同様え?
そして・・・
「残念やどなぁ、小僧は此処で消えてもらうよって」
妾は冷たく笑いながら再戦に燃える小僧に言葉を投げかけた