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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅧ章【ボクトアナタトワタシトキミト】
613/640

剣神の勝因と正因


「ようやっと妾の言葉に耳を傾ける気になったか・・・ホンにこの同胞は愚かよ。」


恐れ慄く我に対し、諭すかの様な口調で語り掛けて来る

その様な状況に似つかわしくなく、相も変わらず害虫共が我の前に立ちふさがる


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「またダンマリかえ?同じ【神】とは言え格上である妾には最低限敬う態度を取るべきだえ。」


()()


格上だと・・・?


眼前のアレが同格であるならば未だしも、我よりも格上だと宣うだと・・・?

同格であろう事にも腸が煮えかえる程の屈辱であるというのに・・・厚顔無恥に格上だと宣うか


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・許さぬ。」


「ほう、許さん・・・許さんというたかえ?許さんねぇ・・・」


「【洵禍終刀(しゅんかしゅうとう)】」


思案する無礼なソレに対し、剣の極致でもあるスキルを発動させる



ーーースパッーーー



スキルを発動させたその瞬間、ソレの腕に斬り傷が現れ血飛沫が舞う


「ほう・・・」


我の【洵禍終刀】に驚愕の表情を浮かべるソレに対し、勝負は決した事を確信する

【洵禍終刀】は先程までの斬撃とは一線を画す


斬撃等と言う概念は無く、スキルを発動させたから傷を負うというスキルだ

そこにスキル発動、攻撃、傷を負うという様な過程が介入する余地はない

あるのはスキル発動、傷を負うという事実だけ・・・

それ故に回避、防御、相殺等という対策も無意味だ


「しかし・・・妾は先程から思うておったのだが・・・」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「主は【剣神】に見えるがスキルばかり発動させておるの?これからは【剣神】では無く【スキル神】とでも名乗るが良いではないか?」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・斬る。」


よりにもよって我を、我の存在そのものを否定し軽く見るとは・・・

如何に同格と言えど、【神】といえど許容できる範囲を大きく逸脱しておる


「【洵禍終刀】、【洵禍終刀】、【洵禍終刀】・・・・・・」


我が発動する度に目の前のそれは血飛沫を舞わせる

右腕、左腕、おっと黒い球体も傷がつくのか・・・


移ろいゆく季節の様に何処に傷がつくのかも分からない

ただ傷がつく、そしてその内斬られるという事実だけが残るスキルだ

我は傲慢なる同格の怯えた姿を見てやろうと思い静かに歩みを進める


するとどうだ?

先程まで面倒であった害虫どもの攻撃すらも止み、我の進み道が出来上がって来るではないか


今の今で我と同格・・・いや格下の【神】は我との力量差に絶望し、心が折れたのであろう

【剣神】である我に斬れぬモノ等有る訳も無い

それが再生持ちの害虫だろうと、【神】であろうと、心などというモノであろうとも・・・

我の前ではどれも同じだ


我は静かに、そしてゆったりと格下の【神】の前に歩みを進める

当の【神】などは両手で顔を覆い隠している始末だ


大方、見えぬ斬撃から身を守ろうとでもしているのだろう

そう考えると何と愚かな【神】なのだと見下してしまう



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


我と比べて格下の【神】の眼前に立つ

だがそれでも手で覆った顔を見せる様子も無い

ならば・・・


「【洵禍終刀】」


「ひぃぃぃぃーーーーーーーーーー!!!!」


我がスキルを発動させると同時に、枠の部分に血飛沫が舞う

そしてそれと同時にこの呆れた【神】は悲壮な声を張り上げる


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


さっさと顔を見せてみろ・・・

そう言えば良いのであろうが、我がそこまで気を回してやる道理はない

弱者は強者に言われずとも察して、強者の求める事を行うべきなのだ


「【洵禍終刀】」


「ひぃぃぃぃーーーーーーーーーー!!!!」


我はコレが顔を見せるまではスキルの発動を止めるつもりは無かった・・・

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