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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅳ章【クロイクニノセイタン】
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クロノと会談の開催

数日後、【獣王国サンドラ】は【黒家クロノス】となり、新たな【魔王】が即位した旨が国内のみならず近隣諸国にも知れ渡った


そのタイミングで【遊戯国トリクトリロ】へ同盟の申出と【魔王】同士での会談を提案する書状を届けた

書状に対して了承してきた相手国は若干だけだが隣接している国境での会談を条件としており、こちらもそれを承諾した


「…そろそろ参りますね。」

「是。」

ルーシャの呟きに一言だけ返答しておく

僕は僕で非常に緊張している

僕の言葉一つで【クロノス】の国民の動向が左右されるのだから致し方無いと思えるが…


会談では【魔王】以外に4名まで出席して良い事になっている

その為、ルーシャ、バルデイン、グーガと書記官を連れていく事にした

国境の際に屋根のみ付属した簡単なテントを張り、僕だけ椅子に腰かける

簡単な椅子で良いと言ったのだが威厳を損なうおそれがあるという事で、金属製のそれなりに重量のある椅子が施されていた


「【魔王】様、馬車が見えます!あちら側が到着した様です!!」

そちらに目を向けるとグーガの言う通り、確かに馬車が見えてくる


馬車は設営したテントの手前で止まると唐突に扉が開いた


「やぁやぁ、お待たせしちゃったかな?!ごめんね~!!」

そう言いながら僕よりも背の低い男の子が飛び出してきた

年は10歳を少し超えた位だろうか?幼さが残るあどけない顔と紫色の髪と瞳が印象的だった

身に纏った衣服は金色の装飾品をこれでもかと身につけている

人族と違うのは角が生えている事くらいだった


「【ロキフェル】様!!突然飛び出されては困ります!!【魔王】様である威厳を以ってご対応頂きませんと!!」

そう言いながら後から女性の騎士が飛び出してきた

こちらは褐色の肌に銀色の髪と金色の瞳を持つ綺麗な女性だった

身なりからして騎士団かなにかに所属しているのだろう事は想像できた


「マリトナは相変わらず固いな~…面白ければ良いじゃん!ほら、相手さんもビックリしているから成功しているしね!!」

ロキフェルと呼ばれた男の子は屈託なく笑う


どうやら話の流れからすると、この【ロキフェル】と呼ばれた男の子が【遊戯国トリクトリロ】の【魔王】で間違いないらしい

僕以外の皆は呆気にとられた表情をしていた


「じゃぁ、ちょっとだけ待ってね!今からこちら側で椅子を造るからさ。」

そう言い出すと彼の従者たちは黙々とテントと椅子を設営しだした



……


「ごめんね、お待たせしちゃった。僕が【遊戯国トリクトリロ】の【魔王】である【ロキフェル=トリス】だよ。気軽にロキって言ってくれていいよ!!」

そう言いながら無邪気に笑う様子には【魔王】らしさは感じられなかった


「【黒家クロノス】、【魔王】、【クロノ=エンドロール】也。些事故に気に病む事は不要…」

互いに自己紹介を済ませる


「ありがと~。でもそちらの【魔王】は姿形を隠しているんだね?もしかして獣人ではないのかな?獣王国の名前も冠していないもんね?」

足をブラブラしながら質問してくる

「ロ、ロキフェル様!!?」

マリトナと呼ばれていた女性が諫めようとするのを手で制する


「諫言は不要。この場は【魔王】のみが発言を許容される…其の発する通り、我は獣人では無し…」

そう告げるとロキフェルはキラキラとした目でこちらを見てくる


「クロノは心が広いよね!!そうなんだよ、マリトナが口うるさくてさ~!!で、獣人じゃないのに【魔王】しているの珍しいし面白いね!!僕ら以外の国からも侵攻されていた落ち目の国に【魔王】として獣人じゃない魔族が即位するなんてさ!!」

それを聞いて従者たちが眉をひそめる

先程の僕の発言を受けて文句は言わないが不愉快だという表情だ

彼も悪気があって言っている訳では無いだろうが、言葉は悪すぎたな…


「我が【魔王】であれば、他国の侵攻は羽虫程度。我であれば問題は無し…」

また変な方へ変換されている!!

『僕が魔王でいる限り、他国の好きにはさせません。』って言っただけなのに!!

(これは不味いぞ)

そう考えていると案の定、ロキフェルの表情が強張る


「ふ~ん…その言葉を同盟を持ち掛けてきたそっちが言い出すんだ…」

そう言った彼の目が鋭くなったのを僕は見逃さなかった




























いつも有難う御座います!!

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