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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅧ章【ボクトアナタトワタシトキミト】
601/640

アカノの枷と開戦


世界でたった1人、クロノに許される為だけに剣を握りクロノと戦い殺さなければならない

それは私からすれば今すぐに首を刎ねろと言われる方が何倍もマシな罰だ


(けれどそれと同等に・・・)


私が自らの首を刎ねても、クロノが私に対して許す事はなく軽蔑する存在となる事も耐え難い苦痛だ


「は、ハハッ・・・」


渇いた笑いが口から思わず零れ出る・・・

結局私はどちらの行動に傾いたとしても本当に意味で安らぐ日は既に無く、生きても死んでも救われる瞬間というモノは存在しないのだろう


「さぁ僕と戦え、アカノ=エンドロール・・・それとも【狂炎ノ道化】と呼べばいいのかい?それとも【剣神】とでも呼べばいいのかな?」


「ハハッ・・・正直、どれも嫌だな。」


冷たく突き放される様に私の名を呼ばれるのは嫌だ

クロノと隔絶されたかの様に【狂炎ノ道化】と呼ばれるのも嫌だ

私自身ではなく【称号】で呼ばれる事もやっぱり嫌だ

出来れば・・・昔の様に、優しく姉さんと呼んでほしい


「自業自得であるとは言え・・・それすらももう叶わない願い、か。」


誰に言うでも無く、そう呟いて剣の感触を確かめる様に横薙ぎに振るう

私の心情とは裏腹に、剣の感触は今まで1番私に馴染む


(ゴーガンの言っていた『せきえん』の真銘を得た効果なのかな・・・?)


これと言った感動も無く、俯瞰的な感想を心中で呟く

そして・・・私はクロノに刃を向けて構えた


「・・・いいね、やっとやる気になったんだね。」


「決してそんな訳では無い・・・私はお前の望む様にしただけだ。」


「そう・・・あぁ言っておくけれど、僕が君に勝ってもやはりお前を許す事は無いよ。君が僕に唯一許される手段は僕に勝ち、殺すことが出来た時だけだと改めて宣言しておこう。」


「っっ!!・・・分かった。」


あわよくばクロノの手に掛かれば許されるかもしれないという浅慮な考えを見透かしてきたかの様に冷淡に告げて来る

クロノの手に掛かって死ねば、私にとってはそれはそれで悪くはない

悪くはないが私を殺したという負い目を与えたくはないというジレンマも存在する


(となれば・・・私がクロノを殺し、罪悪感に苛まれながら生きていく事をクロノ自身が望んでいるんだろう・・・)


愛する者の望みを叶えてやりたい

それはある意味で最も崇高な愛とも言えるが・・・私のコレはそんな崇高なものではない

自分自身が犯した罪を愛する者に尻拭いして貰っている愚劣な愛だ


それを自覚しつつも、私がとる手段はそれ以外存在しない

私は剣に魔力を込めてクロノと改めて相対した


「じゃあ此処からが本番だね・・・余興みたいな戦いだけれど、いよいよ最終決戦だ。アカノ=エンドロールVSクロノ=エンドロール・・・始め。」


クロノはそおう宣言すると同時に魔力を放出する

その魔力を感じると同時に冷たい汗が背筋を伝う・・・


(クロノ・・・お前は何処まで強くなったんだ・・・)


最早その魔力は私の知るクロノ=エンドロールではないと明確に自覚させられてしまう

改めてクロノを見るが、どう考えても十全の状態ではない

数え切れないほどの大小様々な傷を負い、先ほどの戦いで魔力も大幅に目減りしているのだろう

にも拘わらず、私を以てしてクロノは()()だと言える強さを持っていた


(クロノが万全の状態であったら・・・ハハッ、瞬殺されているな。)


軽くない傷を負いながらも私はクロノを強敵だと感じる

だがそれは・・・逆に言えば勝てない可能性が0では無いという事だ


クロノの願いを叶えて私は罪の意識を枷に生きていく

その決意を鈍らせない為に私は剣を握りしめクロノに斬りかかっていった

いつも有難う御座います!!

皆さまの御蔭で先日に1,000Pt達成する事が出来ました!!

(出来るだけブックマークや★を外さないでくださいねw)


これも全てご愛読いただいている皆様の御蔭だと本当に感謝しております。

本当に有難うございます。


目算ですが残り100話いかない位で終わるかな~?と考えております。

最後までお付き合い頂ければ本当に嬉しく思います。

もう暫しアカノクロノにお付き合いくださいます様、何卒よろしくお願いいたします。

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