クロノの拝命と命名
ルーシャと話合った後に城の広間へ向かう
会議室があれば良かったのだが、生憎会議室は無いとの事だった
闘技場はあるのに会議室が無い…
小さいことかもしれないが人族と魔族に違いがある意味明確化されていると感じた
そう言いながら出席者を見渡すルーシャ、グーガ、家臣たち、騎士団長と共に机を囲い
「会議を行う。」
そう宣言すると一様に驚いた表情をこちらを見る
「会議ですか…?」
「是。何故驚愕の相を表わす…?」
家臣の質問に返答すると恐る恐るこちらの顔色を窺いながら言葉を返してくる
「いえ、歴代の【魔王】様や他国の魔族領でも会議に【魔王】様が出席する等は聞いた事が御座いません。
【魔王】様の要望を我ら家臣は話し合うのみで御座います。」
成る程な…強者が言う事に弱者は従い実現の為に話し合うのみという事か…
「其の言、歴代【魔王】の話…我は異なる。民の生活無く王は無し、王のみの国など存在し得ない…」
そういうと出席者全員がまた驚愕の表情を浮かべた
その表情を無視してルーシャの方へ顔を向ける
ルーシャは頷きながら言葉を発する
「今回の会議の進行を【魔王】様より委任されましたので、私の方が執り行います。」
僕は進行役は圧倒的に向いてない為に彼女に任せた
理由は単純で2つ、1つは【獣王国サンドラ】や魔族領の常識を知らない為にチグハグな事になってしまう可能性がある
彼らの常識をむやみやたらに取り除きたくはない
もう1つは、この仮面だ
僕の言った言葉が変換される時に意図しない発言になってしまう可能性がある
そうなると出席者に伝わらない可能性がある
ただ…進行を他者に任せるという事自体も皆に驚きを与えたみたいだが…
ルーシャには議題を伝えているので滞りなく伝わる筈だ
「まず、議題の前に確認となります。昨日に【魔王】様と帯同していた村民は首都に出向いていた家族の方と無事に会えましたか?」
ルーシャのその発言に、家臣の1人が立ち上がる
「はい、村民は無事に家族と会う事が出来ております。ですが、残念ながら既に亡くなっていた者も若干名おりましたが…」
「そうですか…」
そう言いながら彼女の表情は哀しげだった
その表情を見て思わず言葉を発する
「村民家族に安寧を与え、生活を保証せよ。」
そう告げると立ち上がっていた家臣は服従の意を表す
「では…ここからは議題となります。まずは【魔王】クロノ=エンドロール様が、この国の【魔王】様に即位された事を発信する件ですが…」
そこからは会議が始まり様々な事が話し合われた
・【魔王】クロノ=エンドロールが即位した旨を他国及び同国に即座に伝達する
・村民たちは村に帰して、代わりに各村に対して兵士たちを番人として数十人派遣する
・国庫を一時期的に開放し、国民たちの生活を第一とし、【魔王】及び貴族も平民と同じ生活を送る
・【魔王】として国が樹立した事により貿易可能な国をリストアップし交渉する
・前【魔王】を殺した国の調査を継続する
「最後に、これは私からとなりますがご提案となります。【魔王】様この国に名をお与え下さい。」
そう言いながらルーシャがこちらを見つめる
「…何故だ?」
獣人が多い訳だし、愛着もあるだろうし、【獣王国サンドラ】で良いとも思っていたのだが…
「この国の【魔王】様は獣人ではありません。【魔王】様が獣人でないのに獣王国では示しがつきません。又、国名を変える事により他国に新たな【魔王】が生まれたという牽制にもなります。」
その言葉を聞くと全員が一斉に頷きだした
その言葉と皆の表情を見て名前を考えなければならない事を悟る
正直、僕はセンスが良いとは思っていないが、これは僕が名付けないと駄目なんだろうな…
暫く腕を組んで必死に考える
「…クロノス。【黒家クロノス】とする。」
そう宣言すると皆が深く頷いてくれた
いつも有難う御座います!!
作者が名付けセンスが悪いので許してください…
意味は次回に書ければなと思っております。
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