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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅧ章【ボクトアナタトワタシトキミト】
573/640

ブロウドの危機と忌避


「じゃあクロノ君、やろうか。」


「残念ながら我が君、良い試合・・・にはなりませんよ?ただでさえ力が落ちていた我が君が奴と戦った事により最早有象無象と変わらない程度のお力しか感じられませんから。」


「・・・私が力を隠しているのかもよ?」


「申し訳ないですがそれは無いかと・・・今更奴と対峙した時以下の実力に見せかけるだけの大きなメリットは存在致しません。」


僅かでも警戒してくれればと思いカマをかけてみたが、敢無く無碍にされてしまう

まぁ、彼女の立場からすればその様に考えるのは必然であり至極もっともな事でもあるのだが・・・

だが意外にも彼女は私の提案を反故にしたかと思えば、思案する表情を浮かべる

そして何を思いついたのか、パッと喜色満面な表情を浮かべる


「ですがまぁ・・・でしたらこの様な趣向は如何でしょうか?」


「っ?!!!」


そう言った瞬間、彼女はスキルを発動する

大罪スキルである・【嫉妬ノ心ノ臓】・・・

対象の最期を見届けており、且つ自分自身殺した相手の容姿・能力・ステータスを発動させることが出来る厄介なスキルだ


「・・・その姿が1番見慣れてしまったねぇ。」


「えぇ私も様々な場所で姿を変化させましたが、コレが1番馴染んでおります。今の我が君とならばコレでも良い勝負が出来るかと・・・」


そう言ってにこやかに微笑む

果てさて一体どの様な趣向を思いついたのだろうか・・・


「ヴァ・・・ヴァリアッッ?!!!」


彼女の趣向を探っていると、後方からアカノ君の声が響き渡る

この舞台内に居れば多少の騒音は聞こえない様に施されているにも拘わらず、ここまで大きな声が聞こえるとは・・・よっぽど驚いたんだろうねぇ・・・

だが呼ばれた当の本人はアカノ君を一瞥する事も無く、私から視線を切らないままに微笑みかけてくる


「我が君・・・ゲームを行いましょう。」


「ゲームか・・・嫌いではないけれど、良い予感がしないなぁ。」


「今から私は3名に変化致します。その3名に我が君が一撃でも当てることが出来れば我が君の勝利です。」


たった一撃・・・それは私には余りにも有利過ぎる

どうしても裏があると思わざるを得ない


「・・・出来なかったら?」


「残念ですが我が君の敗北となります。その際は我が君の承諾なく私と1つに溶け合って頂きます。」


「・・・じゃあ嫌だと言ったら?」


「勿論断って頂いても結構です。その際は一切の容赦なく我が君には私と溶け合って頂きますが。」


実質拒否権は無いと同然だ・・・

私は仕方ないという様なジェスチャーを交えながら了承した


「では・・・参りますっ!!!」


そう言った瞬間、【拳剛】と呼ばれるに遜色ない素早さで一気に距離を詰めてくる

【拳剛】は接近戦を得意とし、素早さに特化した称号だ

だが当然、私に勝てる程ではない


「ぐむっっ・・・!!!」


私は腹部の痛みに思わず仰け反る

おかしい・・・確かに私の力は【不刻響命】を使用したことにより落ちている事は理解できる

出来はする・・・が・・・


(素早さがまったく理解出来ない程に落ちているというのかね・・・?)


「がっっ!!!」


少しばかりの焦燥感に囚われた私に対して容赦なく側頭部に打撃が入る


「我が君、どうかされましたかっ?!!まだ序盤も序盤ですよっ?!!」


調子に乗ってきた彼女は全方位に動きながら私を一方的に嬲ってくる

私もせめて一撃をと思い手を出すが・・・その悉くが回避されてしまっている


「っっ?!!!」


「【バワーナックル】っっ!!!」


「があぁぁぁぁぁ!!!」


彼女は私の反撃を回避し、空いた脇腹箇所にスキルを発動させる

普段ならば吹き飛ぶ事は勿論、ダメージもほぼ無い筈のソレは私に甚大なダメージを与えた


「ぐぅ・・・はぁ・・・はぁ・・・」


「どうされました我が君・・・この程度の攻撃でそこまで弱体化されるなんて・・・我が君らしくありませんよ?」


私は彼女の表情を見て・・・存在して初めて『余裕綽々』という表情がどの様な表情なのかを理解した

いつも有難うございます。

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