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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅧ章【ボクトアナタトワタシトキミト】
554/640

ダンキの消失と喪失


「これも1つの結末の形か・・・」


ロキフェルの後姿を見送りながらそう零す

彼の生き様は殆どのモノには理解できないだろう

だがそれ故にホンの僅かでも理解出来る自分自身を誇らしくも感じる


「名誉でも無く名声でもなく・・・ただただ突き抜けるまでの献身。それは決して悪い事ではないが、ね。」


ただそれでは駄目なのだろう

今後彼がどの様な行動を取ろうとするのかは想像に難くない

それ故、僅かながらも残念な気持ちもあるのだが・・・


「さて・・・次はいよいよ彼か。」


頭を切り替えて次戦を待つ

アレの性格を省みると次戦では遂に彼を投入するだろう


「【不吉ノ象徴】、か・・・クロノ君、気をつけなさい。彼を甘く見ていると最後まで突き抜けられるよ。」


誰に言うでも無く呟いた私の一言は自分の脳内で反芻された・・・



「・・・こちらに戻ってきませんね。」


「だね。」


ファーニャの呆れたかの様な言葉を肯定して苦笑しながらダンキの方へ視線を向ける

どうやら彼はこのまま次戦も戦うつもりの様だ


「傷を負ってはいるものの致命傷とまで言える傷は負っていないからね。彼の性格上、次戦も出たがるだろうね。」


「相手は得たいが知れないとは言え人族です。普通であれば彼が負ける事は無いでしょうが・・・」


「普通であればそうだろうね・・・」


だが奴は普通ではないという事実を僕は知っている

だからだろうか・・・?嫌な予感が払拭されず、胸を掻き毟りたくなってしまう・・・



「これはこれは【戦ノ王】さん~?次戦相手をさせて頂きます【狂悦ノ道化】と申しますぅ。」


「・・・・・・」


俺は目の前でヘラヘラと嗤うこの人族を測りかねていた

体格からして俺と比べる間でもない弱者・・・いや、恐らく人族の中でも弱者の部類に入るのではないか?とすら思ってしまう

装備も明らかに戦う者の衣服ではなく簡単に破ける様な粗末な衣服だ

そして極み付けは武器を『何も持っていない』・・・

ステータスで劣り、種族で劣り、装備で劣り、武器を持たない

果たして目の前のコレは戦う気概は本当にあるのだろうか?という疑念が尽きない


(にも拘わらず、だ・・・)


何処か不気味な威圧感を放っている気がする

本人は至って自然体の様な挙動をしている

だがそれでも何処から放たれているかも分からない威圧感は捨て置くには余りにも強大すぎた


「お前は一体・・・何者だ?」


本来は有り得ない程に喉が渇く

【魔皇帝】である自分が人族に言葉を発する

ただそれだけの事なのに死神の鎌が喉元に突き刺されているかの様な錯覚に陥る


「何者・・・なにもの、ですか・・・」


俺の質問を何度も反芻しながら呟く

そしてニチャァと嫌な笑みを浮かべながら俺に視線を投げかけてくる


「私は何者でも無く・・・そして何者にもなれない存在と言った所でしょうかねぇ。」


その言葉を聞くだけで気分が悪くなる

舐めて掛かれば一瞬で殺される・・・

そんな確信に近い予想を【魔皇帝】である自分が持った事実にまた恐怖する


「じゃあ始めようか。【狂悦ノ道化】VS【戦ノ王】・・・始め。」


「【強欲王ノ腕】っっっ!!!!」


【真祖】がそう宣言すると同時に俺は一気に魔力を練り上げる

そして人族では視認すら難しいであろうスピードで一気に距離を詰めて斬りかかっていった


「いやはやせっかちな方ですねぇ。」


奴がそう言った時には既に俺の斬撃は奴の目前に迫っていた



















「っっ?!!!!!!!!!!!!」


突如の事だ

何をされた訳でも無い

にも拘わらず俺の持つ・・・持っていた大剣が跡形も無く消失された

ドワーフ族達により極限まで耐久性を鍛え上げられた俺の大剣が折れた訳では無く、文字通りに消失した

まるで()()()()()()()()()()()()()()の様に、だ

俺はその事実に瞠目し、一気に距離を開けていった

いつも有難うございます。

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非ともお願いいたします

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!

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