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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅧ章【ボクトアナタトワタシトキミト】
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ロキフェルの真意と心意


「痛ぅ・・・」


筋肉馬鹿に殴られ思わずぶっ飛ばされる

俺を殴った当の本人は怒りの余り「はぁはぁ」と肩で息している様が滑稽だった


(本当に筋肉馬鹿だよ・・・)


殴られた頬を撫でながら徐に立ち上がり筋肉馬鹿を睨みつけながらそう思う

単純で単細胞、考え無しな愚か者・・・それが目の前で対峙する【戦ノ王】だ

だがそれ故にと言うべきだろうか、いつまでも小難しく俺の身を案じながら戦っており本領が発揮出来ていないのは一目瞭然だった


「何を怒っているんだ?お前はこれ以上傷つかなくてもいいし戦力の増加にも繋がる最高の提案じゃないか?」


「もういい・・・もう黙っとけ。」


最初からこれ位振り切ってくれていた方が楽だったのになぁ・・・と内心愚痴を吐く

俺は少しも【魔人】様を裏切ってはいない

ただそれは俺自身がそう思っているだけであり、周囲から見れば裏切りでしかない事も理解している

幾ら【魔人】様の愛する人を救う為だという大義名分を掲げてもその為に関係ない人族魔族の命を刈り取ったという事実は消えないのだから・・・


じゃあどうすれば良いか?

答えは簡単だ

俺がこのまま消えれば良い

【魔人】様の愛する人に楔は打っておいた

俺があちらに戻る理由はもうない

かと言って【魔人】様の元へ戻るのは些か難しい

何故なら僕が戻るという事は裏切り者を許容するという事であり、それは今後【魔人】様が統治する世界に於いて何一つメリットはない


ダンキ相手にワザと敗北する事も考えはしたが・・・そうすると奴らが(【狂笑道化団】)が面倒な事をいう事は目に見えている

となれば全力で戦っている様に見せながら敗北しなければならない

その為にあの筋肉馬鹿を使おうとしたが小難しく考えて中々振り切ってくれなかった

それ故にあの様なマリトナや【魔人】様を小馬鹿にした様な発言をしたという訳だ


(まぁ、予想外なのは・・・)


振り切った筋肉馬鹿が俺の予想以上に強いという事実だ

振り切ったとは言えただの殴打で俺を吹き飛ばすのは予想外だ


(剣術と言い、強くなっているんだなぁ・・・)


「てめぇ・・・何をヘラヘラと嗤ってんだぁ?!!!」


そんな事を考えているとどうやら挑発していた様に映ったらしい

先程と同様に激情に任せた怒りの形相を浮かべてくる


「いや別に、お前は剣術よりも殴打の方が向いているんじゃないかと思っただけだ。」


「余裕だなぁーーーーーーーーーーー!!!」


そう叫ぶと同時に明らかに先ほどよりも速いスピードで距離を詰めてくる



ーーーガギィィィーーーンーーー


「俺はてめぇの・・・その余裕ですって表情が気にわねぇ!!!!」


「ハッ!余裕なのだから仕方ねぇだろ?」


「があぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!!」



ーーーガギィィィーーーンーーー


ーーーガギィィィーーーンーーー


ーーーガギィィィーーーンーーー


まるで激情に身を任せたかの様な・・・剣術も何もない攻撃が俺に襲い掛かってくる

だが・・・一撃一撃の力は格段に上がってはいるものの、攻撃事態は直情的であるが故に回避するのも受け止めるのも先程よりは簡単だ

この攻撃をまともに喰らえば良いのだろうが、わざと喰らう俺を奴らは見落とさないだろう・・・


(厄介だな・・・)


そう思っていると手に持つ大剣が僅かにピシッと音がした


「があぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!!」


ーーーガギィィィーーーンーーーピシッ


ーーーガギィィィーーーンーーーピシピシッ


「おいおい・・・」


俺の持つ大剣はそこらの大剣とは違う

切れ味よりも耐久力に力を入れたドワーフ族に打たせた特注品だ


「があぁぁぁぁぁぁぁーーーーー!!!!」


ーーーバリィィィーーーンーーー


「グハァ!!!」


そんな大剣が筋肉馬鹿の渾身の一撃により、遂には折られる

そして俺の大剣を折った勢いそのままに俺に対して渾身の一撃で斬りつけてくるのだった


いつも有難うございます。

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを是非ともお願いいたします。

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