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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅳ章【クロイクニノセイタン】
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【間章】ルーシャの魔王と真心


クロノ様との出逢いは突然なものでした

私が住んでいた【獣王国サンドラ】の城は父が暗殺という卑怯な手により亡くなってから亡命し、村へ逃れる道中にそれは起きました


数十人の人族が私が匿われていた荷馬車を強襲してきました


「お前ら!!行商人の荷馬車だ!!!金目の物があるかもしれねぇぞーーー!!」

「「おおーーーー!!!」」

「兄貴、荷馬車の奴、魔族だ!!」

「関係ねぇ!!魔族ったって1人だ!!このままやっちまえ!!」

「「おおーーーー!!!」


そう言いながら襲ってきた人族にグーガは奮闘しましたが倒されてしまいました

私は侍女のハミンに庇われる形で荷馬車の中で震えていると人族がこちらに来ました


「兄貴ーーーー!!!こっちに女が2人いますぜ!!2人とも中々の上玉だ!!」

「よし良くやった!!こっちに連れてこい!!」


人族のリーダーらしき者の前に連れていかれると舐め回される様に見られる

正直、かなり気持ち悪いし不快だった


そんな私の表情を見てか、リーダーらしき人族がニャァと笑う

「へっへっ、嬢ちゃんは俺が味見してやるかなぁ…?」

「きゃあああああーーーーーーーーー!!!」

そんな表情と声質が気持ち悪すぎて思わず叫んでしまう


私の叫ぶ声を聞いて悦に入った様な表情…

もうこれだけで気持ち悪さが先程を凌駕してしまう


「へっへっへ…こんな所で魔族の女を見つけるとは運が良いぜ。おい魔族、安心しな!!お前は殺さねぇ、変態貴族が高値で買い取ってくれるからな!まぁ、死ぬほど辛いだろうから覚悟だけはしておけ!!」

そんな事を言われてしまい絶望が心を塗りつぶしてしまう


私はこんな所で終わってしまうの?

父様の仇も取る事が出来ずに?

誰かを愛する事も出来ずに?

考えれば考える程に絶望の濃度がより濃くなっていく


「…うぅ、妻と…娘は…」

グーガがそう呟いた瞬間、グーガの首に凶刃が振り降ろされようとしていた瞬間


「其等に、慈悲は、無い…」

そんな冷たく無機質な声が響き渡り、私はクロノ様とお逢いした…



クロノ様の人族に対する攻撃は一瞬だった

黒い球体を出現させたかと思うと、その球体に人族が吸い込まれていく

吸い込まれなかった人族は首を刎ねられて絶命した


その後に荷馬車に揺られながらクロノ様を凝視していた

【魔王】なだけあって非常にお強い

なのに仮面越しなので確証は持てないけど、私たちに対して何処か気を遣って頂いている様だった


父様もそうだったけど【魔王】は威厳と貫禄、他者に畏れを抱かして恐怖で国を統治する

それが自国、または他国に対する威圧と牽制になるという事は誰もが知っている事だ


なのに目の前の【魔王】は強者にも関わらず何処か気を遣って頂いている…

しかも国を興していない【魔王】という事だ

そんなギャップに対して意を決して話しかけてみる事にした


「あの…クロノ様。」

私がそう言うとこちらに視線を投げかけて下さる


「先程は危ない所をお助け頂き本当に有難う御座います!!」

「些事だ。気を病まずとも、良い。」

自分の功績を鼻にも掛けずに気を遣って下さる…

この御方は本当にどの国にも属していらっしゃらないかもしれない…

実は他国の【魔王】が乗っ取りにこの国に入った可能性も考えていた私は警戒心を少し下げる

と同時に何故か心が温かくなっていった


でもまだ警戒心は解ける事は出来ない

自分の心の内を見なかった事にして言葉を続ける


「いえでも…まさか【魔王】様に助けて頂けるなんて…今この国に【魔王】様がいらっしゃらないので夢にも思っておりませんでした!」

何故(なにゆえ)なにゆえ、【魔王】は、存在していない?」

この言葉で私は心の底から驚く

他国であってもこの国の【魔王】が暗殺されたことは最早常識なのだ


私はそこから色々説明したが、どれも興味深そうに聞かれる

ハッキリ言ってどれも常識の範囲の事象なのだから


この方は本当に何もご存知ないのかもしれない…

そう思うと同時に思ってしまう

(この方は何者なんだろう…?)


村内に入ってから再度人族に襲われるも、またクロノ様に助けられた

誰一人ケガする事も無く救われた私たちは、クロノ様以外にこの国の【魔王】様となって頂く方は存在しなかった


それからお話をさせて頂き、素顔を見せてご拝顔させて頂き【魔王】様になって頂く許可を得る

クロノ様に普段、仮面を付けて頂く許可を頂けた時は本当に嬉しかった


だって…お顔が綺麗すぎるんだもん

あの素顔を見ちゃうと私以外の女が確実に近づいてくる

ましてや性格はお優しく、穏やかだ

しかも非常にお強い…

こんなの他の女が近づかない訳が無い!!


知れば知る程好きになる…

これから【魔王】様として即位して頂く訳だけど、傍らで近づいてくる女にだけは最大限に警戒しようと心に誓うのでした…




突撃【間章】でした!!

タイミング的には此処がベストかな~?と…

しかし、女性心を書くのは本当に難しいですね…


「面白い&期待している」という方は★&ブックマークをお願い致します!!

ご感想やレビューも心よりお待ちしております!!


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