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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅧ章【ボクトアナタトワタシトキミト】
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ロキフェルの驚愕と驚嘆


「・・・待たせたな。」


俺は目の前の筋肉馬鹿に短く告げる

だが筋肉馬鹿は目の前で変質した俺を見るたまま固まって動けないでいた


「おいどうした?お前さんの希望通り、変質してやったぞ?」


すこし語気を強めてそう告げる

すると筋肉馬鹿は我に返ったかの様にハッとした表情を浮かべた


「・・・お前、本当に【魔王】か?」


「あぁ、間違いなく【魔王】だ。」


絞り出すかの様な声で呟く声に平然と回答するがその気持ちも理解できなくはない

今の俺は女である俺よりも非常に尖った性能を有している

女の俺は魔力が潤沢で魔力操作もこれ以上に無い程に円滑に行うことが出来た

また魔力の消費も最低限の消費で済ませることが出来ていた

反面、身体能力は最低限の動きしか出来ず、肉弾戦であれば【豪商】だったルーシャ相手でも瞬殺されているだろう

だが今の俺は、魔力が無い

魔力が最低限すらも無く、その全てを近接戦に振り切っているのだ

だがそれ故に近接戦では最強・・・俺は俺をそう評価している

例え称号が【魔王】であろうが近接戦に限定すれば【真祖】にだって張合い、勝利することが出来る

そう考えていた俺自身の評価は正しいのだろう

未だ打ち合ってすらもいない筋肉馬鹿が俺を見ただけで慄いている様がそれを証明している証左だ


「まぁ、お前さんには借りがある。だからこそお前さんの希望通りに変質したんだが・・・これでも戦うか?」


「・・・当然だ。」


ほんの僅かばかり卑下した意味を込めた俺の忠告を筋肉馬鹿は否定する

ならばこの後にする事はただ1つだけだ


「そうか・・・じゃあいくぜ。」


俺は手に持っている大剣を構え、瞬時に襲い掛かった




ーーーガギィィィーーーーーンーーー




「・・・へぇ、俺の一撃を受け止めるとはな。少しだけ予想外だった。」


脂汗を流しながら必死に俺の斬撃を受け止める筋肉馬鹿にそう賞賛する

俺の目論見通りなら、今の一撃を受け止める事が出来ずコイツは吹き飛んでいる筈だからな・・・


「馬鹿にすんな・・・こちとら・・・俺も武器も・・・頑丈さだけが取り柄よっ!!!」


そう言って俺の斬撃を受け止めただけではなく、拮抗し更に俺の武器を弾いた


「ほぅ・・・」


予想外の出来事に思わず感嘆の声が漏れ出る


「おらあぁぁぁぁぁぁーーーー!!!」


そして大剣を弾かれ態勢が定まっていない俺に対して隙を見つけたかの様に一気に駆け寄り、お返しとばかり斬撃を繰り出してきた




ーーーガギィィィーーーーーンーーー




「ふん・・・ぬ?」


筋肉馬鹿の攻撃を大剣で容易に受け止める

が、押し切る訳でなく間髪入れずに別角度から更に斬撃を繰り出してきた


「馬鹿は馬鹿なりに必死に考えた・・・そういう事か?」


あらゆる角度から仕掛けてくる斬撃を防ぎながら言葉を投げかける

だが筋肉馬鹿としては俺と話す余裕はないのだろう・・・

俺の言葉を無視し、雑念を振り払うかの様に斬撃を繰り出してきた



ーーーガギィィィーーーーーンーーー


ーーーガギィィィーーーーーンーーー


ーーーガギィィィーーーーーンーーー


「だが、お前さんの斬撃よりも俺が防ぐ動きの方が僅かながら早い様だぞ?」


そう忠告するも筋肉馬鹿は何も答えず斬撃を繰り出す


「・・・・?」


そしてその瞬間、ふと違和感を感じだす

何度も攻撃を繰り出し、そのいずれも容易に受け止め続けるが一向に攻撃が止む気配がない

それ所かホンの僅かながら筋肉馬鹿の攻撃力や素早さが上がってきている気がする


ーーーガギィィィーーーーーンーーー


ーーーガギィィィーーーーーンーーー


ーーーガギィィィーーーーーンーーー


ーーーピッーーー


「・・・ぬ?」


ホンの僅か・・・ホンの僅かではあるが左手の甲を斬られる

それは薄皮1枚にも満たない、血すら出ていない微かとも言える程ホンの僅かではあるが・・・それでも確かに斬られたという事実に俺は内心驚愕した


いつも有難うございます。

「面白い&期待している」という方は★&ブックマークを何卒宜しくお願い致します。

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