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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
Ⅳ章【クロイクニノセイタン】
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クロノの邂逅と参上



村を出発して3日で【獣王国サンドラ】の首都である【サンドラ】に到着した

獣人の女子供、老人たちも足手まといにならない為に頑張ってくれたみたいだ


道中に魔物は多少現れたが、獣人の男たちで難なく倒せる程度の強さだったので時間のロスにも余りならなかった


首都【サンドラ】は城壁で街を覆っており敵襲に備えられた造りとなっている


「大きいな…」

荷馬車の後ろから城壁を覗き見ると横幅の広さは勿論、高さもかなり有り飛行能力のある者以外は寄せ付けない様な造りとなっており思わず呟いてしまう


「そうですね。前【魔王】が他国の魔族領からの侵攻を想定し造らせた城壁ですから。今この街が無事なのはこの城壁のお陰と言っても過言ではありません。」

ルーシャが嬉しそうに答えてくる

多分、父親が行った事を褒めて貰っている感じなんだろうな…


「成程な…街も無事なら良いんだが。」


「城壁が無事なのですから街も無事ですよ。ただ国民の生活は厳しくなっているでしょうけど…」

そう言って表情に影を落とす


「だな。【魔王】になったら、そこから取り組んでいこうか…」

そんな事を話しているとグーガから声が掛かる


「クロノ様、検問所に到着致します。仮面の装着をお願い致します。」

「分かった。」

そう言って仮面を付け、フードを被って待機していると外の声が聞こえる


「止まれ!!お前たちは何処から来た?!何をしに来た?!」

どうやら検問所の兵士は少し高圧的な態度を取っているみたいだな…


「おいおいミラズ。お前の上官の更に上官である俺の顔を知らない訳じゃないよな?」

剣呑とした、けれども若干怒気がこもったグーガの声が返答する


「何を馬鹿な…グ、グーガ副団長?!!グーガ副団長が何故お戻りに?!!まさか…姫様の身に何かあったのですか?!」


「馬鹿。もしそうだったら荷馬車に揺られて戻って来る訳無いだろうが。姫様は無事だぞ。荷馬車の後ろにいらっしゃる。訳があって戻ってきたんだが入っても良いか?」

「は、はい!!勿論です!!」


「あぁ、ついでに城に伝達しといてくれ。『グーガが姫様と共に戻って来た』とな。」

「りょ、了解しました!!どうぞお入りください!!」

そう言われ荷馬車がまた動き出した


荷馬車からグーガに話しかける

「グーガよ…其は副団長であるのか?」


「そうです、この国の副騎士団長です。ですから姫様の護衛として村に赴いていたんです。」

「……人族に甚振られていた様に記憶しているが、如何に?」


「いやぁ~あの時は多勢に無勢でしたので、隙を見て奴らを襲おうと画策しておりました。人族が魔族より弱いといっても、あの人数で一気に襲われたら流石に勝てません。」

そう言いながらハッハッハッと笑い出した

うん…本当の事は知らないが、そういう事にしておこう


そんな事を話していると城門で辿り着くと

「「ルーシャ姫様!!グーガ副団長!!ご帰還!!門を開けろーーー!!」」

何処からか大きな声でそんな声が聞こえると同時に城門が開かれる


開かれた門を通り抜けると、数名の獣人たちが一列に待機している

ルーシャが立ち上がり荷馬車を降りようとして、ピタッと立ち止まりこちらへ振り返って来る


「…行ってきます。」

その言葉に無言で頷くとニコッと微笑んでくれた


「「「姫様!!!」」」

外からルーシャを呼ぶ声が聞こえる

多分、家臣かなんかの人たちだろうな


「皆の者、【魔王】様の居ない中にも関わらず、今まで持ちこたえた件、誠に大義でした!」

「「ははーーーっ!!」」

家臣たちはルーシャに跪く


「私たちの【魔王】様は何者かの卑怯な手口によりその命を奪われてしまいました…その娘である私が人質になる訳にはいかないという理由で亡命の提案を受け入れた事に対し謝罪したいと思います…」


「姫様!!それは詮無き事でございます!!」

「左様、これもこの国を守る一手でございます!!」


「有難う…だがこの屈辱を晴らす機会を今回得る事が出来た!!私は亡命先の村で、どの国にも属していない【魔王】様と出会う事が出来ました!!」

「「!!!!」」

家臣たちが驚愕の表情でルーシャを見る

まぁ、そんな偶然は中々ある事じゃないしな

…偶然ではあるけど


「ひ、姫様…それは事実なのでしょうか?」

「さ、左様…【魔王】と…しかもどの国にも属していない【魔王】等いるものではありませぬ…」

その言葉を聞くとルーシャは得意げな表情を浮かべる


「勿論事実です!今この場にもご参上頂いております。クロノ様!こちらへお願い致します!!」

ルーシャの合図で荷馬車を降りる

降りる際には魔力を周りに噴出させて黒い炎を纏ませた


「我は、クロノ…クロノ=エンドロール也…」


僕がそう言うと家臣の人たちは、また驚愕の表情を浮かべるのだった…








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