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アカノクロノ  作者: ばてぃ〜
ⅩⅧ章【ボクトアナタトワタシトキミト】
539/640

マリトナの特効と特攻


【支配者ノ猛毒】・・・

それは【魔王】でないものが【魔王】を殺害する際に発生する呪いとも言えるスキル

提示されるメリットはただ1つ、当事者の能力全てが急激に上昇するということのみ

対してデメリットもただ1つ、スキル名の通り異常な速度で使用者の寿命を削る

しかも削るだけでは無く、使用する度に身体の節々に痛みが襲い掛かり絶命する


(だがそれで良い・・・)


最初から何の犠牲も無く主に勝てるとは思って等はいない

()()だったのは先日に【魔王】を倒す事が出来、それによって【支配者ノ猛毒】を得た事だ

もしこのスキルが無ければ主や目の前の悪魔に何もする事が出来ずに敗北していただろう・・・


「・・・何をした?」


私が何をしたのか理解出来ずに呆然とした様な口調でそう尋ねる

けれど主が何をしたのか答えに辿り着けないのは致し方ないだろう


「【支配者ノ猛毒】です。」


「っ?!!!」


流石の主も私の回答に絶句している

繰り返すが【支配者ノ猛毒】は【魔王】でないものが【魔王】を()()する際に発生するスキルだ

それを【魔王】を殺害していない私が得ている筈がない・・・それが主の疑問なんだろう

確かに先だって【魔王同盟】なる輩を殺害したのは主だ

であれば私がソレを得ている訳がないと思うのは当然の結論ともいえる

だが・・・


「残念ながら主、あの時の私は主の攻撃よりも先にアレの命に刃は届いていたのです。」


「・・・・・・そう言う事、か。」


あの時・・・逆上し私に襲い掛かって来る【魔王】に対し、私は主の攻撃よりも先に喉元に刃が届いていた

だからこその切り札であり特攻毒だった


「だから私はあの【魔王】を殺害しても【魔皇帝】になれなかった、か・・・」


そう言って苦笑する主をみて心底助かったと安堵する

どうやら主はあの【魔王】とは別の【魔王】を殺害していたらしい

もしあの時に主の攻撃がアレの命に届いていれば・・・正に何も出来なかっただろう


『グ・・・ググググ・・・小娘ぇ・・・』


『猛るなアザゼル・・・とは言わん。良くもやってくれたのぉ小娘・・・』


不意に悪魔達の怨念めいた声が聞こえ、そちらの方に視線を向ける

すると各々右腕と左腕を消失した悪魔達が敵意剥き出しに私を睨みつける


「それにしてもアザゼルとグレゴリは本物の悪魔だよ。【支配者ノ猛毒】の効果があるとはいえよく消失させる事が出来たね。」


「・・・そこに関しては賭けでした。あの御二方が実体であれば勝てる確率は低かったでしょう。」


そう答えると主は僅かに表情を強張らせる

それを気にする様な仕草もせずに私は淡々と言葉を続ける


「あの御二方の意識は当人なのでしょうが、アレは実体せずに魔法か何かで幻影化されていますよね?」


「・・・どうしてそう思う?」


「先のお二方との攻防です。私の魔法攻撃に対して異常に警戒されておりましたから。」


そう、御二方共が私と比べて圧倒的な実力を有しているにも関わらず私の攻撃を回避していた

通常、圧倒的な実力差があれば回避などせずにそのまま突き進む方が自然だ

何故なら回避する間、相手の挙動も見落としがちになり自分の攻撃テンポも遅れてしまう

にも拘わらず私の攻撃魔法を回避した理由・・・それは私の攻撃を脅威だと認識したからだ

では何故矮小な私の攻撃を脅威だと考えたのか・・・それは実体のあるソレではなく、魔力やスキルで投影されたかの様な存在であると私は見繕ったのだ


だからこそ私は直接魔力を相手に流し込み形成している魔力を狂わせた

その結果、実体のある本人達には害はないだろうが、こちらに投影されている御二方は今でも消失した部分を再構築できないでいるという訳だ


『くくく・・・この様な屈辱は100年ぶり、か?』


『相変わらず適当よのぉ・・・正しくは103年と4か月ぶりよ。』


そう言いながらゆらりと立ち上がるお二方を見据え、此処からが真の本番だと悟った・・・


いつもありがとうございます!!

「面白い&期待している!!」という方は★&ブックマークを何卒宜しくお願い致します。

ご感想やレビューも心よりお待ちしておりますので何卒宜しくお願い致します!!

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